ウーバーイーツ、配達員の事故への対応は。ユニオンが補償の拡充を訴え。

フードデリバリー 新型コロナウイルスの感染拡大で、ウーバーイーツへの需要が高まっている。しかし配達員が事故を起こしてしまった場合の補償が不十分なのが現状だという。  配達員らで作るウーバーイーツユニオンが7月21日、事故の実態に関する調査の結果を発表した。

「事故後の対応が不十分」

 ウーバーイーツユニオンは、今年1月7日から3月31日掛けてオンラインで事故に関する調査を実施。計32件の報告が寄せられた。  それによると、配達員が事故を起こしていたときに使用していた車両は、自転車が51.6%と過半数を占めた。また事故の種類としては、衝突事故が25.8%と最も多く、次いで転倒事故が22.5%だった。  衝突事故の場合、配達員が衝突してしまった被害者への補償が問題となる。ユニオンの記者会見に参加した女性は今年6月初旬、五反田で歩道を歩いていたところを、自転車に乗った配達員に衝突されてしまったという。  救急車で病院に搬送され、すでに退院はしたものの、現在も「体調が安定せずに不安」だといい、眼窩底骨折で低下した視力も元に戻っていない。  女性の夫は、ウーバーイーツジャパンに連絡をしたが、ナシのつぶてだったという。 「ウーバーイーツに連絡をしましたが、『私たちに言われても困るので、保険会社とやり取りしてください』と冷たくあしらわれました。保険会社からは連絡が来ましたが、事故から一か月半以上経った今でも話が進展していません。  ウーバーイーツのサービス自体はいいものだと思いますし、事故が起きてしまうのも仕方がないと思いますが、事故後の企業としての対応が不十分ではないでしょうか」

ウーバーから被害者への連絡はナシ

 調査に協力した東京労働安全センターの担当者は、「配達員との事故に巻き込まれた被害者がどこに連絡をすればいいのか、窓口が非常に不透明。しかも何とか連絡を取ったが、音沙汰がなかったという被害者もいる」と指摘した。  そもそもウーバージャパンは、事故への対応を配達員に丸投げしているという。配達員は事故についてサポートセンターに連絡しなければならないが、連絡してもお見舞いの言葉や補償制度の案内が書かれた定型文がメールで届くだけだという。  ウーバージャパンが事故の被害者に連絡をすることはなく、配達員が独力でやり取りしなければならないのが現状だ。
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事故のケガ、打撲・擦過傷が半数近く
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