新型コロナ対策としての、パチンコ店の「行列対策」が画期的な理由

行列イメージ

desidesi / PIXTA(ピクスタ)

ウィズコロナ下でのパチンコ店の課題

 ウィズコロナの新しい生活様式におけるパチンコ店の営業にとって、パチンコ店がクラスターの発生源にはなりにくいということが広く世間に浸透し始めているところではあるが、しかしパチンコ店の営業のすべてのシチュエーションが「安心安全」というには、パチンコ店側にもいくつか課題が残されている。  その悩みの種の一つが開店前の客の行列問題である。  全国のすべてのパチンコ店に行列が出来る訳ではないのだが、繁盛店であれば平日であっても一定の行列が出来るし、週末や祝日等の日には数百人の行列が出来る店もままある。密集や密接を極力避けなければならない現状において、各店とも行列する人たちの間隔を開けたり入場時間の抽選時間をずらしたりと様々に対策を講じているが、やはりパチンコ店にネガティブな感情を持つ人たちにとっては危険視されやすい状況であることは間違いない。  そのような中、パチンコ業界の新たなチャレンジが始まっている。開店前の客の行列を最小化するためのオンライン抽選である。

オンライン抽選なら後から並んでも入場順が一番になる可能性が

 東京都千代田区にあるアイランド秋葉原店は全国でも有数の「行列店」である。設置総台数581台に対して2000人から3000人が行列を作る日もあるほどの有名店だ(参考記事:全国のパチンコ店が、一斉に鹿目まどかの誕生日を祝った謎)。  遊技機の設置台数が600台満たないのに、なぜ2000人以上も並ぶのか不思議に思う読者もいるだろう。  一般的なパチンコ店の入場システムについて簡潔に説明するならば、開店前に多数の客の行列が予測できる場合は、先着順の入場ではなく、事前抽選により入場順を決めることが多い。先着順の場合、朝早くから行列を作り近隣住民や店舗に迷惑を掛けたり、また徹夜組が出没したりする問題が発生するからだ。  抽選方式の場合、お店が指定する抽選時間に間に合いさえすれば、仮に2000番目の抽選でも入場順が1番になる可能性もあるのだ。  7月7日。  この日は、ラッキーセブンのゾロ目の日ということで、パチンコ店は否が応にも盛り上がる。正確に言えば盛り上がるのは客のほうで、その客の期待感を受けたパチンコ店側でも相応の出玉(パチスロの高設定台の投入)で迎えるところも多い。  一部サイトにはコロナウイルスの感染が収束していない状況にも関わらず秋葉原のパチンコ店に5000人以上の客が並んだという不正確な記事が掲載されたりもしたが、この5000人という数字はアイランド秋葉原店のオンライン抽選に参加した人数である。  その抽選方法は、当日の午前8時までに「抽選参加登録」をまず済ませる。この数字が5844名である。  その後登録者は各自抽選を済ませ、午前9時半までに「来店意向」をネット上で表明する。アイランド秋葉原店では、この「来店意向」をネット上に登録する際に、客の位置情報も確認しており、実際に開店時間に間に合う(到達可能範囲内にいる)客のみが「来店意向」を表明することが出来る。ちなみに7月7日に同店への来店意向表明者数は1177名であった。
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登録時には顔認証も導入し不正を防ぐ
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