レバ約40倍の金先物ボラが大きい産金株で高リターンを狙える
金先物は、1㎏単位で取引する金標準取引と、気軽に取引できるよう100g単位にした金ミニ取引の2種類がある。取引するには商品取引業者の口座を開設して、証拠金を納める(金先物は22万5000円。金ミニは2万2500円。’20 年5月度)。この証拠金を基にレバレッジを効かせて少額資金でも大きな取引ができる。
ただし、思惑と違うほうに価格が動けば、証拠金を失うだけでなく、追証(追加証拠金)を求められることもある。リスクに注意が必要だ。
そして最後に、産金株とは金鉱山など金を採掘する企業の株で、基本的に金価格と連動する。
ただ、国内には住友金属鉱山くらいしかなく、金価格と一定程度は連動するものの、同社はニッケルや銅なども扱う非鉄金属会社なので、海外の産金株ほど連動性は高くないのが難点だ。一方、海外に目を向ければ、金との連動性の高い産金株のファンドが売買され、価格も1万円程度からなので手軽に投資することができる。海外のこうしたファンドの最大の魅力は、金そのものの価格よりもダイナミックに値が動く商品が充実している点だろう。
<金現物>
実物資産なので、株やETFなどのペーパーマネーのように価値がゼロになることがない。”世界共通通貨”として万国どこでも通用する。貴金属地金商が販売する金地金(金の延べ板)、金貨(各国政府が発行するコイン)の形で購入する。売買スプレッドや保管の手間が少々難点
<純金積み立て>
月3000円と、少額から金に手軽に投資することができる。積み立てゆえに、放ったらかし投資も可能なうえ、ドルコスト平均法で価格変動リスクを一定程度回避できる。地金やジュエリーと等価交換もできる。積み立て額が少額すぎると、手数料がコスト高になるデメリットも
<金ETF>
金価格に連動する上場型投資信託。株式同様にネット証券で簡単に投資することができ、市場が開いていればいつでも売買できる。現物投資より手数料が安く、信託報酬も微少でコストを圧縮できる。国内・海外に商品が豊富。今や、もっともポピュラーな金投資法
<金先物>
数十倍のレバレッジをかけられるので資金効率が極めてよく、一発大勝負も狙える! だが、思惑と逆に相場が動けば追加証拠金が発生し、元金以上の損を被ることもある。売りからも入れるので、相場下落時にも利益を上げることができる。ハイリスク・ハイリターンの金投資
<産金株>
金鉱山を保有し、金を産出する企業の株式。金価格と連動性が高いが、金価格よりも値動きが激しいのでややリスキー。海外の産金株に投資する際は、為替変動リスクにも注意が必要だ。国内だけでなく、世界の産金銘株に投資するファンドもある
【池水雄一 氏】一般社団法人貴金属マーケット協会理事
住友商事、クレディ・スイス銀行、三井物産を経て、スタンダードバンク東京支店長に就任。’19年、日本貴金属マーケット協会を設立、代表理事。一貫して貴金属ディーリングに従事し、金に精通
【亀井幸一郎氏】マーケットストラテジー・インスティチュート代表
山一証券などを経て、’92年、世界的な金の広報・調査機関ワールド ゴールド カウンシル入社。企画調査部長として経済調査、金市場のマーケット分析に従事。多くのメディアで幅広く活躍する
<取材・文/斎藤武宏 チャート製作/圓谷清和>