「有事に強い金」。プロが教える、金投資。そのノウハウとポイント
新型コロナの感染拡大で世界経済の悪化が確実視されるなか、コロナショックからいち早く抜け出し40年ぶりに史上最高値を更新した金。かねてから戦争や自然災害など「有事」に強いと謳われるが、今回、そんな金の投資法を探った。
「金は上昇の最終局面で駆け上がる特徴を持つ。ここで買いたくなるが、その後に大きくピークアウトするのでやめたほうがいい」
マーケットストラテジー・インスティチュート代表の亀井幸一郎氏は、金には売買のタイミングを読むコツがいくつかあると教えてくれた。
「現在、金はまだまだ上昇の余地があり、上げの最終局面ではないので、上昇トレンドのなかで下落したときに仕込むのがいい。もし下げても、再び上昇するだろうから、むしろ下落時に少しずつ押し目買いしていくのがいい」
仕込み時を踏まえたうえで、3賢人オススメの金投資を紹介しよう。まず、一般社団法人貴金属マーケット協会理事・池水雄一氏が薦めるのは、金先物ミニだ。
「金標準取引もいいが、取引単位が1㎏なので600万円ほどの資金が必要になり、初心者は手を出しにくいでしょう……。100gから取引が可能な金先物ミニなら60万円ほどで、最低証拠金は2万円ほどと少額元金で始められる。金標準取引と違い、ミニは現物と交換できませんが、レバレッジが40倍ほど効くのでFXよりも資金効率がいい。現物に興味がなくて、リスクを許容できる人にはいいでしょう」
亀井氏は、金鉱株ファンド推しだ。
「少しリスクを許容できるなら金価格に連動して動くが、値動きが2~3倍の金鉱株ファンドに投資するのがいい。なかでも、この半年ほど3800円から6600円あたりまで大きく上昇しているのが、ブラックロックのゴールドメタルオープン。このファンドはもっとも値を上げたときで1万3000円を超えていたので、まだまだ上値の余地がある。しかも金よりボラティリティが高いので、より大きなリターンを狙えます」
楽天証券経済研究所コモディティーアナリスト吉田哲氏はプラチナを組み合わせた投資法についてこう語る。
「コロナで傷ついた経済を立て直すため、欧米で大規模な金融政策が打ち出され、ドルやユーロの価値の希薄化が懸念されます。このため、代替通貨として物色され、金高が起きている。また、大規模な金融緩和による経済回復への期待が高まり、株高も起きている。金高は貴金属グループ全体の価格上昇、株高は自動車触媒・宝飾需要回復を期待させる要因になります。こうした流れを受け、プラチナは独自の底堅さも手伝い、反発しやすくなっています」
実際、チャートを見てもわかるように、4月を跨いで「株高・金高・プラチナ反発」の傾向が現れていた。
「有事のムードを強く感じるなら金、底堅さを重視するならプラチナ。さらに、両方に投資するのも面白い。例えば、資金の3分の2を金、3分の1をプラチナに投資する。底堅さの要素を強めたいなら、配分を逆にする。両者のいいとこ取りができます」
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上昇の勢いが強い金&底堅いプラチナへのW投資でいいとこ取り
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