ザッカーバーグ氏とFacebookが批判されている内容は、以下のようなものです。
・Facebookはろくにファクトチェックをしていない。選挙戦において出そうと思えば偽の広告を出すことができる
・ファクトチェックのパートナーに、Daily Callerという右派系のニュースを持ってきた(Daily Caller 自身が有名なフェイクニュースサイト)
・Breitbert news (全米で最も有名なフェイクニュースサイト)を信頼できるメディアとして認証した
ところで、Webのプラットフォーマーとして、あるいは旧来からの自由主義の常識に従えば、Facebookとザッカーバーグの説明は、間違っているようには聞こえないかもしれません。
偽の広告を出したとしても、選挙でどこに投票するか判断するのは国民だし(だから、暴力的、アダルトなどのもの以外は出せるようにする)、
Daily Caller がファクトチェックのパートナーになったのは第三者団体に加入しているからだし、
Breitbert news はアクセスが多いし、多様な意見のために排除するようなことはしない……というのがザッカーバーグの大まかな回答です。
ところが、残念ながらすでにこれは
「充分」な回答ではないとみなされてしまいます。
つまり、単に平等であるだけではなく、
公平性を担保するためには、偽のニュースや、差別的な広告を排除するために、プラットフォーマー自身が投資をしなければいけない。それが、少なくとも #StopHateforProfit 運動などに賛同を示す人にとっては共通の見解になっているのです。
Facebook は、「
差別や情報操作、虚偽報道と充分に戦っていない」とみなされている。それが現在のFacebookの立ち位置です。
そして #StopHateForProfit が始まった
このような前提のもと、#StopHateForProfitは始まりました。Facebook が今後どうなっていくかはわかりませんが、一つ明確なことがあります。
それは、プラットフォーマーも明確に責任を問われる時代であるということです。Google にせよ、Facebook にせよ、Twitter にせよ、すでに広告で莫大な収益を上げていますが、Web広告の嫌われ度合いは年々増しています。〈参照:
ネット広告への強い嫌悪感、テレビや新聞の倍以上に。「しつこい」「邪魔」が3割超【JIAA調べ】 | Web担当者Forum〉
スマホのノンターゲティングの漫画系の広告はもともとひどいですが、最近ではYouTubeも、ひどい広告ばかりです。
エログロならまだマシですが、人間を不快にさせることでアテンションを集める手法が蔓延し、Webの空間は大きく汚染されています。(いじめ、不倫、浮気の漫画、あとブスだとかブサイクだとかが飛び交う恋愛・自己啓発系のコンテンツなど、みなさんも見た覚えがあるでしょう)
テレビCMにせよ、ラジオCMにせよ、媒体は通常審査をするわけですが、この審査の部分を媒体側に丸投げし、プラットフォーマーが十分に行えていない。
そのくせ
文字の比率が何%だとかはチェックするというのは一体どういう思考なのか、と思ってしまいます。(この点では、FacebookやAdSense / Google広告はマシな方で、TwitterやYDNのほうが断然ゆるいですが)