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まさに天変地異とも いえるコロナショックにお いても、冷静に対応すれば がっちり資産を防衛すること は可能だ。そんな有事にこそ 問われる投資賢者の立ち 回り術に迫る !
名古屋の長期投資家(なごちょう)氏は、そのハンドネーム通り名古屋在住、投資歴24年間のベテラン投資家。そのスタイルは、
J・シーゲル(『
株式投資の未来』)に影響された、割安株の長期分散保有だ。
「過去100年の歴史を見ると、長期的にもっとも高い投資パフォーマンスが得られたのは、安定的に配当を続ける割安株への投資。資本主義が続く以上、それは今後も変わらないと信じています」
リーマンショックの際にも、その信念に従って株の買い増しを続けたが、買い始めるのが早すぎたため相場の大底圏に達する前に資金が底をついてしまったという。しかしその後は、少しずつ追加投資と保有銘柄の入れ替えを繰り返して、’19 年には総資産は1億円に届かないものの、大きな資産を築くことに成功。株式相場の浮沈を数多く経験してきたなごちょう氏の目に、コロナショックはどう映ったのか?
資産評価額の推移
「これまでずっと増えてきた総資産の評価額が、3月には一時評価損になったんです。8年ぶりに評価損になったのを見て『ただごとじゃない』と感じました」
そんな中、2月末から3月にかけて、保有する約230銘柄の日本株のうち、相対的に割高になった銘柄を売り、割安となった銘柄の購入を地道に続けた。
「今のところ、保有銘柄全体の4分の1くらいは入れ替えました。もっと入れ替えてもよかったと感じますが、3月中旬の暴落時にはどこまで下がるのかわからず、やや少なめになりました」
その効果もあって、5月初頭にはコロナ前までとはいかないが、それに近い水準まで資産総額を戻している。日経平均株価の戻りと比べても、かなり高いパフォーマンスだ。