コロナ死者4万人を超えたイギリスで、最も被害を受けているのは子どもたちだった

コロナが世界共通の構造上の問題を炙り出した

ロンドンイメージ2 コロナという未曾有の危機は、もともと構造的に弱い立場に置かれていた子どもたちを直撃しただけではない。サポートするNGO業界にも、収入減と子どもへの支援が満足に行えないという大打撃を与え、貧困・虐待などさまざまな緊急ニーズが増大する中でサポート体勢が追いつかないという状況を生み出した。  しかし、この問題はイギリスに限った話ではない。日本でも新型コロナの影響で困窮家庭が増えている。そして対面サポートが支援の要だったNGOが子ども食堂や居場所事業の中止を余儀なくされる一方、サポートへの需要は増えるばかりとの報道もなされている。  内閣府も、子どもの貧困支援団体に上限300万円の交付金を総額5000万円程度交付することを決定した。新型コロナでの死者数が1000人を切る日本と、死者数4万人でロックダウンの終わりがまだ見えてこないイギリスでは状況が異なるものの、両国ともに、今この瞬間に支援を必要とする子どもたちをどう救っていくのか、正念場は続く。  そして今後、子どもへの支援の仕組みをどう変えていくか、NGOセクター自身も再考せざるを得ないだろう。W氏は最後にこう言った。 「コロナ前から不平等な社会でしたが、コロナでそれがより鮮明に現れました。商店のガードマンや老人ホームのケアワーカー、電車バスの運転手などはイギリス社会で最も貧しい部類に属し、その子どもたちが苦しい状況に陥っています。  彼らを支えるべきNGOもコロナで力を失っていて、セクター全体が再構築を考えざるを得ません。特に政府へのパイプがあるような大きなNGOは、どうしたら子どもたちの状況を改善できるか、政府とともに議論していく責務があります。  これは危機ではありますが、同時にチャンスでもあるのです」 <文/谷口真梨子>
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