これまでにも遠藤氏は格安で購入したボロ物件を再生、超高利回りを実現してきた実績がある。
「3年前に購入した戸建ては空き家バンクを通じて20万円で買ったのですが、現在は月3万円で貸しています。リフォームにほぼお金はかけていないですし、利回りは180%。ほかにも昨年は1万円で入手した物件が3つあります。さらに『80万円つけるからもらってほしい』という“持参金あり”の物件もありましたね。修繕費用などを考えれば、80万円以上かかってしまいますが、それでもありがたい話です。この物件は今年1月に無事に入居者が決まり、毎月4万5000円の家賃をいただいています」
今でこそ家賃収入約150万円、ローン返済分などを引いても月100万円ほどのキャッシュフローを得ている遠藤氏。しかし、わずか数年前まで年収が300万円を切るサラリーマンだったという。
「初めから現在のスタイルを確立できていたわけではありません。母から400万円を借りて買った最初の物件なんて1年近く空室でしたし、全然順調ではなかったです(笑)。今も大家デビューのきっかけをくれた母には感謝しながら少しずつ返済を続けています」
しかし、その後、格安のボロ物件を手がけるようになり、キャッシュフローが大きく改善していく。
「物件を購入する際には土地値と同じか、それ以下で買うことを基本としています。過去には40万円で買った戸建てを400万円で売った経験もあります。こういった物件は残置物がたくさんあり、老朽化している箇所も少なくない。だからこそ所有者としてはさっさと手放したいから格安で売ってくれるわけです。残置物の処理やリフォーム、あるいは解体などで手間やお金がかかりますが、その分、安くなっているので収益性が高まります。特に戸建てだと客づけができなかったとしても、更地にして売ったり、新築を建てたりすることもできる。戦略がいろいろ立てられるので、投資対象としては比較的リスクが低いわけです」
時には人が顔をしかめてしまうようなボロ家にも果敢にチャレンジする遠藤氏。それでは物件のどんなところを見ているのか。
「特に重視するのは水回りです。水回りは直そうと思うと、どうしてもお金がかかってしまいます。逆にパッと見は悪くても水回りが老朽化していなかったら、むしろチャンスですね」
「76万円つき物件」も今年4月に新たに購入
新たに76万円つきの物件も契約。「築50年超で雨漏りあり、残置物だらけですが、月3万円での入居が決まっているので安心です」