都合の悪い質問を狡猾にかわす、小池百合子都知事の「時そばスルー」答弁

「やりとり」から見えてくるもの

 このように、「やりとり」から見えてくるものは多い。それが映像で残されていれば、なおさらだ。筆者は国会パブリックビューイングで国会審議を野党の質問と政府側の答弁という「やりとり」の形で切り出して街頭上映してきたが、そのように「やりとり」を残して示すと、不都合な問題については答弁せずにスルーする政府側の不誠実さが、隠そうとしても隠しきれずに可視化される。  この記者会見もそうだろう。そこに現れたものは、筆者には『女帝 小池百合子』に描かれたのと同じ、平然と嘘をつく小池氏の姿であるように思われる。それはこの記者会見を受けて紙面に載った記事を読むだけでは見えないものだ。  用意されたスピーチや記事からは見えてこないものを、私たちは今のうちに見ておいた方がいい。 <文/上西充子>
Twitter ID:@mu0283 うえにしみつこ●法政大学キャリアデザイン学部教授。共著に『大学生のためのアルバイト・就活トラブルQ&A』(旬報社)など。働き方改革関連法案について活発な発言を行い、「国会パブリックビューイング」代表として、国会審議を可視化する活動を行っている。また、『日本を壊した安倍政権』に共著者として参加、『緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説 「安倍政権が不信任に足る7つの理由」』の解説、脚注を執筆している(ともに扶桑社)。単著『呪いの言葉の解きかた』(晶文社)、『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイティブ)ともに好評発売中。本サイト連載をまとめた新書『政治と報道 報道不信の根源』(扶桑社新書)も好評発売中
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