投資家として、本来なら避けたい主力銘柄の撤退。しかし、はっしゃん氏は「このあと訪れるであろう大暴落のためにキャッシュポジションを確保する狙いもありました」と、迷わず利益確定。結果的にキャッシュポジション90%という驚異の数字でコロナ相場の大暴落を迎えることに成功した。早めの危機察知と行動で損失とは無縁。一見、暴落時の完璧な立ち回りに見えるが、「大底では買えなかった」と反省も。
「底を打ってからは、世間のコロナに対する動向や温度感を窺いつつ、主に利益確定した銘柄の買い戻し時期を探っていました。どの銘柄も一様に暴落していましたが、購入基準である理論株価的にはどれも申し分ない銘柄でした。しかし、結果的に底から20~30%上がったところで買うことしかできなかった。二番底が来ると思い、買い戻しのタイミングに慎重になり過ぎてしまったのが原因ですかね……。『もう少し早く買えたな』って、今では少し反省しています。コロナ相場でのトレードに点数をつけるとしたら50点といったところでしょうか」
自己評価こそ低いが、多くの投資家が爆死したコロナ相場を寸前で回避し、「コロナ前と比べて資産は7%ほど増えています」と言うのだから驚きだ。現状に満足せず、常に上を目指す。はっしゃん氏の卓越した危機察知能力と行動力、そしてトレード術を参考に、今後の相場を乗り切って行ってもらいたい。
●オープンハウス(3288)
現在株価 3120 円
目標株価 9000円
売買単位 100株
PER/PBR 5.85倍/2.26倍(※株価などのデータは2020/07/20終値)
戸建て住宅メーカー。「テレワークの普及でマンションから戸建て住宅へのシフトが進むと考えられ、今後に期待できそう」
【はっしゃん氏】 兼業投資家
資産:3.5億円
投資歴:22年
スタイル:成長株投資
コロナ相場での儲け:1900万円
’98年から株式投資を始め、足掛け22年で総金融資産は3億円超え。随時SNSやブログで情報を発信し続けている。
@trader_hashang
【馬渕磨理子氏】アナリスト
京都大学公共政策大学院を卒業後、法人の資産運用を担当。その後、フィスコで、上場企業の社長インタビュー、財務分析を行う
<取材・文/高城泰 桜井カズキ 図版/bambeam チャート/楽天証券 Trading View>