クルド人男性へのあまりに酷い暴行。なぜ渋谷警察署に抗議する人が集まったのか?
「私に暴力を振るった。謝罪もなく許せない」と訴えるラマザンさん
「急発進が記録されているか」については「調査中」
両者の言い分は異なるが、ラマザンさんが職務質問を拒否したことは共通している。ただし、それが「急発進の逃亡」なのかは見解が異なる。
そこで筆者は、署員に「急発進はドライブレコーダーに記録されているのか?」と質問したが、これも回答は「調査中です」だった。
すべての職務質問がまったく不要とは、筆者は思わない。だが警察側の説明が正しいとしても、問題となるべきは映像に残されたような威圧や暴力の行使だ。相手が暴力的に反抗しない限りは、威圧や暴力は不要だったのではないのか。
ラマザンさんは5月27日、「特別公務員暴行陵虐致傷罪」で威圧行為を行った警察官2人を刑事告訴。現場には幾人もの目撃者もいたので、どちらの言い分が正しいのか? 今後の裁判が公正に行われ、しっかりと明らかになることを望む。
<文/樫田秀樹>
かしだひでき●Twitter ID:@kashidahideki。フリージャーナリスト。社会問題や環境問題、リニア中央新幹線などを精力的に取材している。『悪夢の超特急 リニア中央新幹線』(旬報社)で2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
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