クルド人男性へのあまりに酷い暴行。なぜ渋谷警察署に抗議する人が集まったのか?

警官は「オレに勝つと思っているのか」と言って威圧行為

 ラマザンさんの話をまとめると、5月22日には以下のことがあったという。  15時半頃、渋谷区東3丁目の路上で「歯科医院に行こう」と車を運転していたラマザンさんが、左折レーンで停車中に近くにいた警官と目が合い「お疲れ様です」と挨拶をした。その後、警官は「車の中を見せてくれませんか」と要請。歯科医院に急ぐラマザンさんはこれを断り、車を走らせた。  するとパトカーがあとをついてくる。不審に思ったラマザンさんは車を停めてパトカーに近づき「なぜついてくるんですか。私は歯医者に行く途中です」と説明して、また運転に戻った。ところがパトカーは、今度はサイレンを鳴らしてラマザンさんに停止を命じた。  ラマザンさんが外に出ると、警官が近づいてきた。だが警官がマスクをしていないので、コロナ感染を防ぐため「近くに来ないでください」と訴えると、警官は「オレに勝つと思っているのか」と言って威圧行為が始まったという。

警察の暴行現場を撮影した映像を、警察がむりやり消去

デモの先頭を歩くラマザンさん

警察による威圧行為の写真を持つラマザンさん

 その後のことは映像に残っている。 「座れ!」 「何もしてないじゃん。話聞いて」 「座れよ! 座れ!」  と一人の警官がラマザンさんの足を蹴り、跪かせる。 「何もしてない!」 「おい。いい加減にしろ、この野郎! なめんなよ、おい、なめんなよ!」  そして、撮影をしている友人に警官が近づいたところで映像は終わる。  その後、警官は友人に「(映像を)消せ!」と命令。友人が拒否して画面ロックするが、警官は友人の顔をスマホに近づけて顔認証でロックを解除し、映像を消去した。だが映像はスマホ本体に加え、クラウド保存してあったので復旧ができたのだ。  警官(車のナンバーから東京第一自動車警ら隊と推測される)は渋谷警察署にも応援要請をして、ラマザンさんの記憶では、パトカー10台と警官約30人が集まるほど現場は物々しくなった。  車の中にあった所有物はすべて路上に出されたが、怪しいものは発見されず、最後に私服警官がラマザンさんの運転免許証の確認をしたところで「行っていい」とようやく解放されることになる。
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暴力をふるい、何も出なかったのに謝罪の言葉もなし
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