ガチ婚勢が集まる結婚相談所で「モテ」よりも重要なものとは?<アラサー独女の婚活・恋活市場調査9>

「モテのための努力」より重要なものとは

 マッチングアプリではより多くいいねを集めたり、合コンでは周りの同性より一目置かれようとしたり。あらゆる出会いの場では、まず一度相手に興味を持ってもらうための、小手先の「モテ力」が必要とされる場合が多い。  しかし、結婚相談所では、狙っていくべきは”モテ”ではない。目的が結婚であることが互いに明確なら、より多くモテようとする必要はない。結婚相談所は他の出会いの場よりも、出会いや恋愛の進行を管理されるので、たくさんの人からモテても、いろんな人をキープしておくことが難しい。そうでなくても、相手もガチ婚勢なので、答えを出すのが遅いと、それを理由にあちらから切られることもあるのだ。  結局一人しか選べないので、その最善の一人に選ばれるのが目標だ。しかし相手もガチなので「外見」とか「年収」とか「学歴」とか、その人にとって大事なところを総合的に評価される。マッチングアプリのように「写真が盛れてたらマッチング♡」というわけにはいかない。

何より重要なのは「自己分析」

 結婚相談所で大事なのは、自己分析だ。短い交際期間と高い入会金で婚活をするなら、退会後に「思っていたのと違う人だった」なんて言いたくない。結婚にフルコミットする婚活では、自分の理想とする異性の姿が明確になっていないといけない。  「優しい」とか「おしゃれ」とか、そんな表面的なところでなく、自分の環境や持つスペックから考えて、「結婚という現実的な関係性の中で良好な人間関係を築いてくれる人」を見つけなくてはならない。背伸びした相手と付き合えば自分が後で苦労をするし、妥協に納得できていない相手を一生愛せるだろうか。遊びの付き合いで許してもらえる「考えの甘さ」は、結婚相談所では通用しないのだ。  どんな相手といると居心地がいいのかを言語化するためには、自分自身がどういう人間で、どういう環境を好むのかを知らねばならない。モテは異性を理解し、そこに寄り添っていくことだ。しかし、結婚生活は長い。婚活は自分を見つめ直すことで、「どんな異性となら一生一緒にいたいと思えるのか」「自分はどんな環境で結婚生活を送りたいのか」「そもそもそこまでして結婚したいのか」、自分自身を理解していくある意味つらい作業なのである。  相談所にも自己分析用のツールや、その結果でAIマッチングさせるサービスがあるが、自己分析がブレると婚活もブレるので、相談所に入会する前に、一度よく自分のことをじっくり考える時間を作ってほしい。 <文/ミクニシオリ>
1992年生まれ・フリーライター。ファッション誌編集に携ったのち、2017年からライター・編集として独立。週刊誌やWEBメディアに恋愛考察記事を寄稿しながら、一般人取材も多く行うノンフィクションライター。ナイトワークや貧困に関する取材も多く行っている。自身のSNSでは恋愛・性愛に関するカウンセリングも行う。
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