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当初「マスク不要論」を喧伝した福島の時と似たメンツ
間もなく5月連休の後半に入り、多くの人々は5連休となります。殆どの人は、外出することなく自宅で休養となるでしょうが、やむを得ない外出で人と接触することもあると思います。
SARS-CoV-2(新型コロナウィルス)には、現時点で人類には免疫がなく、ワクチンもなく、標準治療法もないという102年前のスペインかぜ*並みの惨憺たる状態ですので、感染しないように防護するほかありません。
〈*1918年から1920年にかけて生じたインフルエンザ・パンデミックである。20億人の人類のうち5億人が感染し、5000万人から1億人が死亡したと考えられている。人類史上最悪の感染症の一つである〉
手洗いや、うがい、顔を手で触らないなどの基本的防護方法がありますが、加えて
個人防護具(PPE)を用いることはとても有効であると現在では考えられています。その中で代表的なものが
マスクで、当初WHOを筆頭として「市民にマスクは不要」と断言していたものが、4月3日に正式に変更された
CDC(合衆国疾病予防管理センター)のガイダンス、「
一般市民にマスクを強く推奨する」にならい、多くの国で
マスク着用の義務化と市民への無償配布が始まっています。執筆時点の日本時間4月27日には、ドイツ連邦政府がマスク1千万枚を中国から調達を終え、近くロックダウン緩和にともない、外出中のマスク着用の義務化と数百万枚のマスク無償配布を検討中であるとCNNで速報されています*。
〈*
Germans face fines of up to $5,000 as wearing a face mask becomes mandatory 2020/04/27GMT CNN〉
マスクは意味がない、マスクはウィルスを素通しするなどとまことしやかに喧伝され、医者や科学者の中にもそれを無批判で受け容れ宣伝する人々が多く見られました。筆者は、5nmから250nm程度の超微粒子を扱ってきましたので、こういった嘘くさいことを言う人々を見て、福島核災害時に跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)した
国策翼賛デマゴーグ科学者・医者達のことを思い浮かべ、全く同じだなと考えていました。そもそも
メンバーが大きく重なっています。
実のところ筆者はマスクが嫌いですし、日本のマスク文化はとても理解できずにいました。これは、筆者の花粉症が軽症だというのもあるのですが、顔を隠すという行動に筆者は強い違和感を抱いてきました。そもそも日常マスク着用など過去20年間に発達した新しい習慣です。
また、筆者が月に数度の外出でサージカルマスクを着用しはじめたのは、4月19日からです。さすがに4月も後半となると、筆者の住む四国の田舎でも身に危険を感じます。
さて、筆者のマスクに対する認識は元々下記のようなものでした。実のところ感染症対策としては、WHOと同じく一般人の感染症防護具としては評価していませんでした。
1)病気にかかった人が、病原体を撒き散らさないようにするもの
2)医療関係者や介護・福祉関係者といった感染症の高リスクに晒される人の個人防護用
3)運転士さんなど、排気ガス中のサブミクロン級有害物質の粒子からの防護用
4)花粉症対策
では、マスクの粒子遮蔽能力は如何ほどなのでしょうか?
「
高性能不織布マスク(サージカルマスクなど)は、ウィルスを素通しするから意味はない」という、筆者が強烈な違和感を抱いた言説は正しいのでしょうか。超微粒子屋としては、試行錯誤してきた研究の実体験から大きく逸脱するこの通説に強く興味を持ちました。
ではそもそもマスクが対象とする粒子の大きさはどの程度のものなのでしょうか。またマスクはどういった素材で作られているのでしょうか。