<まんが・榎本まみ>
「(夫は)糖尿あるし、コロナにならないかしら……」
40代の女性がそう漏らした。女性は、1年ほど前から、離婚の準備をしてきた。ところが、このコロナ禍による自粛で収入が激減し、別居の目途が立たないという。
ところで、筆者の事務所もリモートワークを採用し、スカイプ等による法律相談を始めた。しかし、
妻たちは、夫が在宅しているので、自宅からの法律相談は容易ではない。そこで、仕事に行くと嘘をついて法律相談に来所する妻もいる。夫が在宅し、出かける口実もつかない、相談にたどり着けない妻が多数いることは間違いないだろう。
国連女性機関は、この4月、外出禁止によりDVが増えているとして各国政府に対策を求めている。(参照:
NHK)
離婚相談の実務感覚では、
物理的DVのないモラハラ案件は、物理的DV案件の20~30倍はあるので、家庭内モラハラの蔓延は、凄まじいものになっているだろう。
ある夫は、在宅ワークで「仕事の傍ら」、妻を観察し、その家事や言動の「至らない点」を小さな字でびっしりノートに記載した。そして、夕食後、妻を睨みながら、そのノートを読み上げたという。妻は、黙ってそれを聞きながら、心の中で、離婚を決意した。