歴史的な安値圏にある天然ゴムを狙え
2015.01.28
’14年は多くの商品が歴史的な安値圏にあった商品市場。今後の円安トレンドも加味すれば、今年こそ商品先物取引に打って出たいところ。怖い、損する、とマイナスイメージばかりが先行する商品先物のイロハを専門家が伝授する。
商品先物は投機性や専門性が高いとされるうえ、かつては詐欺や強引な勧誘も横行していたことから、怖い、難しいといったイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし、「個別企業の業績や外部環境、需給まで分析する株式投資に比べ、商品は値動きと需給だけで判断できるのでむしろ簡単。昔と違い悪質な業者はもう淘汰されているし、数か月程度保有する『ポジショントレード』が最も利益を出しやすいので、むしろ個人投資家が手を出しやすい取引です」とは商品アナリストの小針秀夫氏。
「商品先物取引は、金や農産物などの商品を将来の特定の日に売買することを約束する取引。商品の価格が上がると予想すれば買い、下がると思えば売り、思惑通りの値動きをすれば利益となります」
その最大の魅力は、なんといっても資金効率の高さだ。FXと同様、レバレッジの利いた証拠金取引になるため、少額の資金でも大きな取引が可能で、思惑通りの値動きをすれば元手の数十倍の利益も夢ではない。
たとえば最も少額で取引できる「金ミニ」なら、一枚当たり1万2000円の証拠金で投資できる。倍率は100倍のため、思惑通りに100円動けば1万円利益を出せる。’14年末の金ミニは1か月半で約500円動いているので、資産5倍程度は十分視野に入るのだ。
とはいえFXと同様、最低限の証拠金で取引すると、ほんのわずかでも思惑と逆の方向に動くと元手が吹き飛んでしまう。
「理想的には最低証拠金の3~10倍程度の資金を用意し、1~2%価格が下落したら、速やかな損切りが必要です」
また、FXと異なり取引の期限である限月(げんげつ)がある点にも注意したい。買いや売りでポジションを持つと、期限までに反対売買しなければならないため、株のような「塩漬け」はできない。同じ商品でも限月が異なる複数の投資対象があるので、小針氏が勧めるポジショントレードでは期限が最も長い先せん限げんを狙うのが鉄則という。
⇒【資料】はコチラ http://hbol.jp/?attachment_id=21813
商品といっても取引対象はいくつもあるが、’15年の相場で注目したいのはタイヤの原料となる天然ゴムだと小針氏は続ける。
「’14年の天然ゴム相場は過去最大の下落を記録し、’11年につけた高値から4分の1まで下落しているため、底打ち感が強い。値動きも非常に大きいため、最も利益を狙いやすい商品です」
また、ゴムは農産物であるため、季節的な要因も価格を大きく左右するという。
「例年、東南アジアの産地が乾期に入る2月からが減産期で供給が減り、春先まで価格が上昇します。これに対し6月からの雨期は増産期で供給が増え価格も下落しやすい。この季節性に基づくアノマリーを利用し、これから買いで入ると成功率は高い」
加えて、アメリカでの新車販売台数は好調でゴムの需要は増加傾向にあるうえ、生産国では価格の下落を防ぐため、輸出削減を強調したり、政府自ら買い上げ策をとるなど供給は減る傾向にあるという。ここに減産期が重なると、需給が逼迫する可能性が高いというのだ。ドルで取引されるため、円安も価格上昇要因となる。
天然ゴム先物は4万円の証拠金で投資可能でレバレッジは25倍。すべての価格上昇要因が絡み合い、80%程度の値上がりとなれば、利益率は2000%となる算段だ。
⇒【後編】に続く http://hbol.jp/21655
【小針秀夫氏】
商品アナリスト。トーキョー・トレーダーズ・タイムズ代表取締役。コモディティオンラインTVプロデューサーとして、商品市況の解説に定評がある
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