新型コロナウイルス、パンデミックからみるロンドンの街角。ロックダウン前後の日常

外出自粛とテレワーク、オンライン授業へ

 それでも感染拡大が止まらない現状を受け、英政府は16日にパブ・カフェ・レストラン等への自粛を国民に訴えた。この日から、自宅で仕事ができる人はテレワークに移行した。筆者も大学の研究室に行ったのはこの日が最後だった。  19日には全国一斉に休校。一時は混乱を招いたが、大学等の授業も全てオンラインに移行。スクリーン越しに垣間見る、普段は難しい形相の教授の部屋が洗濯物だらけだったのは物凄く親近感が湧いた。  一方、パブ・カフェ・レストラン等の自粛だって、それ自体もまた物議を交わしていた。大型チェーンの店はまだいいだろう。だがしかし、街中の中小企業はどうなる。特にロンドンは小さな地元密着型の小売店が多い。街中の店も細々と何とかして売り上げを出そうと試行錯誤していた。
「コロナ割!2つで19%オフ!地元の繁華街を支援しよう!」

「コロナ割!2つで19%オフ!地元の繁華街を支援しよう!」

 カムデン・パッセージの革物専門店にて。「コロナ割!2つで19%オフ!地元の繁華街を支援しよう!」と何て皮肉の効いた英国らしいジョークだろうか。  人通りの少ないマーケットを歩いていたら近所のアンティーク店のおじさんに話しかけられた。  「うちみたいな労働者階級は本当に困っている。客が来ないと収入がないんだ。そうすると食料品も買えない、家賃も払えない、どうやって生活すればいいんだ」と彼は話してくれた。  この後、英政府は中小企業・個人事業主へ特別支援基金により80%の所得を保証する、と発表した。おじさんも無事にこの基金を受け取れること祈っている。

スーパーの棚が空っぽになった

 この時期からスーパーマーケットから物が消えた。19日に夕飯の買い出しに家の近くのスーパーマーケットに行ったらもぬけの殻である。言葉を失った。
棚が空っぽになったスーパー

棚が空っぽになったスーパー

 日本ではトイレットペーパー、マスク等が不要な買占めにより入手困難になったと聞いてはいたが、イギリスでは食料品までもスーパーから消えた。  冷凍保存ができる肉魚類、パスタやお米といった炭水化物、缶詰類などがなく、何軒かスーパーを周り、買えるだけのものを買って帰宅した。とはいえ野菜や果物類は残っていたので、筆者はこれを機に短期間のベジタリアン生活に挑戦しようと思う。  この状況を日本にいる友人らに伝えたら、米や麺類、トイレットペーパー・生理用品を送ってくれる、とのこと。彼らの速やかな対応には感謝しても仕切れないほどだ。
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酒盛りや散歩に出かけるロンドナーたち
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