ウェブ広告の闇。なぜ違法なサプリの広告が野放しになっているのか?
あなたが今見ているスマホの中で、巨大な”犯罪市場”が広がっている。
その犯罪市場の名前は、レコメンドウィジェット広告だ。主に、ニュースサイトの記事下などに置かれている広告を指す。
2020年3月18日、毎日新聞の1面に、虚偽広告に関する記事が掲載された。ニュースアプリ大手のグノシー社の子会社が虚偽広告を制作し、その虚偽広告をグノシー社が配信していた、という内容だ。
インターネットを使う人なら誰でも、怪しい広告を見たことがあるだろう。シミがはがれる美容クリーム。ハゲがすぐに治るスプレー。ヤセ菌を増やして簡単に痩せるサプリメント。それらは、違法性にまみれた広告だ。
この記事では、それらの違法広告の経済的規模や、全体の構造などについて筆者の認識を説明する。
違法なレコメンドウィジェット広告は全体の26.4%
簡単に見つかる違法広告
この広告をクリックすると、広告サイトに遷移する。この広告の中に、違法な広告表現が多数存在した。その中のひとつをピックアップしよう。
「1ヶ月で-10kgもの大減量に成功!!(しかも食事制限・運動は一切ナシ)」と記述されている。これは、薬機法という法律に違反した広告表現だ。
薬機法とは、簡単に言うと、サプリメントや化粧品、医薬品などの広告表現を規制している法律だ。例えば、サプリメントが医薬品のように効くような広告表現をすると、行政は違法だと判断する。
今回の場合、この広告サイトは「食事制限も運動もせずに1ヶ月で10kg痩せた」という効能を表示している。これは、医薬品として承認が必要な表現だ。
独立行政法人医薬品医療機器総合機構の医薬品検索ページで当該の商品名を検索してみると、検索のヒットはしなかった。つまり、この商品は医薬品ではない。だから、「食事制限も運動もせずに1ヶ月で10kg痩せた」という表現をしているこの広告サイトは、違法サイトだ。
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