新型コロナ騒ぎで“火の車”。だけど、だから気づくこと

新型コロナが何かを伝えている

米や大豆や野菜を育てる

働きすぎずに余った時間で米や大豆や野菜を育てる。買い物減らして安心増やす

 この世にはびこる「ねばならない」、どうもおかしな「暮らし方」、それしかないのか「働き方」。それらを論じてみたけれど、この際新型コロナで考え直す。そんな機会にしなければ。  ベストセラーの「ワークシフト」、そこに書かれていることは、「いずれ移動が難しくなる」。それの真偽は別として、いずれそうなる可能性。資源は無尽蔵にない。移動少しでいい暮らし、消費少しでいい暮らし、労働少しでいい暮らし。それこそホントの豊かな暮らし。  きっと少しは“ホッとしている”。そんな人が多くいるはず。高速化する経済が、拡大目指す目標が、長時間の労働が、ストレス過多の仕事場が、少し緩まる安堵感。  取り残されたら怖いから、一生懸命しがみつく。取り残されてしまったら、置いてけぼりに怖さ覚える。だけど誰もがスピード緩めば、時間と安らぎ、取り戻せる。そろそろ変えたいこの社会。この災いをキッカケに。 田舎イメージ 田舎に移住で気づくこと。人の距離が程よい安堵、互いが支え合う安堵。世間に翻弄されない安堵、工夫や叡智がある安堵。食べものたくさんある安堵、いのちを脅かされない安堵。進歩の裏で失われた、生存のための安堵たち。  この世にはびこる「ねばならない」、どうもおかしな「暮らし方」、それしかないのか「働き方」、そろそろ見直す時期なはず。進歩で叡智を捨てちゃいけない。さらなる進歩と同じくらい、失くした叡智が必然となる。  持続可能な人の暮らしへ。持続可能なすべてのいのちへ。新型コロナで気づいたあなたから。 【たまTSUKI物語 第24回】 文/髙坂勝
30歳で脱サラ。国内国外をさすらったのち、池袋の片隅で1人営むOrganic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称:たまTSUKI) を週4営業、世間からは「退職者量産Bar」と呼ばれる。休みの日には千葉県匝瑳市で NPO「SOSA PROJECT」を創設して米作りや移住斡旋など地域おこしに取り組む。Barはオリンピックを前に15年目に「卒」業。現在は匝瑳市から「ナリワイ」「半農半X」「脱会社・脱消費・脱東京」「脱・経済成長」をテーマに活動する。(株)Re代表、関東学院経済学部非常勤講師、著書に『次の時代を先に生きる』『減速して自由に生きる』(ともにちくま文庫)など。
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