新型コロナ禍の中、重視される「咳エチケット」。喘息持ちや花粉症の人は困惑も

マスクをして咳をしても、ウィルスは飛び散る

 ただその一方で、マスクにおいては、意味のない付け方をする人や、「マスクを過信しすぎだ」とする声も少なくない。  マスクは長時間装着するとどうしてもズレたり息苦しさを感じたりする。が、鼻をまるごと出して装着しては意味がないし、着脱を繰り返せば飛沫やウイルスはその効果は半減する。  また、よく目にするのが、マスクをしているからと堂々と真正面を向いて咳やくしゃみをする人たちの姿だ。  前出の厚労省の動画でも分かる通り、マスクは飛沫やウイルスを「完全遮断」するものでも、咳やくしゃみ時の免罪符でもない。  精神面ではコロナに負けず上を向いて歩こうと言いたいところだが、咳やくしゃみをする時だけは、「どうか下を向いてほしい」と個人的にも思うところだ。

「くしゃみは片腕で抑える」が国際標準

 余談だが欧米人には、日本人の「くしゃみ時にマスクの上から手で口を押さえる姿」が本末転倒な光景に映るという。  彼らがマスクをあまりしないのは有名な話だが、くしゃみをする場合も、日本人のように手の平では抑えず、片腕に顔を埋めるようにする。抑えた手にウイルスが付着しないようにするためだ。  以前日本語を教えていた欧米人駐在員の1人が、「マスクの最もリスキーな部分を抑えてくしゃみをした5分後、別れ際の握手のために差し出された手は、マナーでもなんでもない」と言っていたのを思い出す。  ちなみに、厚生労働省のウェブサイトでは、口を手で押さえる“日本式”ではなく、この“欧米式”が「正しい咳エチケット」として紹介されている。
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喘息の人は咳を抑えられない
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