共働きやひとり親世帯など、いろんな事情を抱える人に配慮して欲しい
政府が一斉休校を要請したのは2月27日。対して休校開始日として提案されたのが3月2日だ。短期間であらゆる準備をするのは相当に無理がある。
鈴木代表も「非常事態ですから、一斉休校を否定するつもりは全くありません。でも急に決まった休校によって共働き世帯やひとり親世帯など、子どもを家に一人にできない事情を抱える人がどんな影響を受けるのかについての『配慮』が欠けていると感じました」と違和感をあらわにした。
またHUCメンバーで立憲民主党の若手女性政治家として福岡県で活動する平本さおりさんも「地域によっては、感染拡大を防ぐために施設閉鎖、休校は仕方ない措置だと思います」としたうえで、次のようにコメントした。
「当事者不在の一方的な通知で学校が休校してしまったら、子どもの面倒を見なければならない親は働けません。どうしても仕事を休めない家庭では、子どもたちが行き場をなくしてしまいます。
だからこそ私たちHUCは緊急提言を『#母親の声届け』に乗せて、世間に公表しました。政府には、子どもを持つ母親、父親の切実な心の叫びに耳を傾けて欲しいと思います」
コミュニティ内の意見、社会的な課題をふまえてHUCは以下の3つの要望を掲げている。
「一、母親・父親・保護者不在の決定ではなく、当事者との十分な対話を求めます
一、子供の居場所を家庭に限定せず、社会のサポートが得られる仕組みの構築を求めます
一、学習機会や給食など本来子供が得られた機会の提供を求めます(原文ママ)」
「2週間の休校」「小学校は休校せず」自治体によって分かれる対応
自治体によって休校をめぐる対応はまちまちだ。
茨城県つくば市では3月6日から24日まで休校するが、登校は可能としている。その場合は生徒が自主学習する。五十嵐立青市長はツイッターで、「感染防止策を講じながら、休めない保護者や医療環境悪化を考慮しできるかぎりの対応をしていきます」と投稿している。
また千葉県千葉市では、小中学校では3月3日、高校では3月4日から16日まで約2週間の休校措置を取ると発表。2週間とした理由は「疫学的な根拠が不明」のためとした。
一方で群馬県太田市では小学校と養護学校については休校せず、登校するかの判断は保護者に任せる方針を発表。「近隣市町村及び市内で感染者が発生した場合、適宜、方針を見直します」との条件をつけ、状況に応じて対応を変えるとしている。
(自治体の対応については、2月28日時点のものを掲載した)
<取材・文/薗部雄一>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。