新型コロナの自粛ムードの中、批判集まるパチンコ店。消毒などの対応や自主休業を決めた店も

全日遊連が全国のパチンコホールに広告宣伝の自粛を呼びかけ

 パチンコ業界では行政からの指導ばかりではなく、業界独自の対策も講じている。パチンコホールによる団体である「全国遊技事業協同組合連合会(全日遊連)」では、2月28日、「新型コロナウィルス感染症対策に伴うホールの広告宣伝への配慮について」という文書を全国の組合員に向け発出している。文書では- 「新型コロナウィルス感染症の発生に伴い、感染拡大防止に向けた様々な対策がとられており、政府から不特定多数の人が参加するイベント・集会等の中止や不要不急の外出を控えることなどについて要請がなされているところです。このような情勢をご理解のうえ、官か組合員ホールに対し、感染症の問題が沈静化するまでの間、各種媒体を用いた新台入替等の集客を目的とした広告宣伝については自粛を含めた適切な対応をされますようお願い申し上げます」 としている。  個社個店の営業について口は出せないが、少なくともこのような社会情勢下において、新台入替を謳ったチラシをまいたり、有名人やライターを招いたりすることで集客を露骨にすることはやめようという話である。ただでさえ感染の危険度が高い状況下に、わざわざ「集まれ!」というのは流石に違うということなのだろう。

北海道知事の要請に応えた、地元の有力ホール

 2月28日、北海道の鈴木直道知事が、新型コロナウィルスの感染対策について話し合う道感染症危機管理対策本部会議の場で「緊急事態宣言」を発表し、2月29日と3月1日の週末は「外出を控えてください」と訴えた。全国的にも深刻な状況であると見られる北海道の知事の法的根拠の無い「お願い」であった。  これに北海道の大手パチンコホール企業である、合田観光商事(屋号:ひまわり)が、北海道にある30店舗を2日間店休とすると発表し応じた。知事の会見から、数時間での決定である。
合田観光商事(屋号:ひまわり)の全店休業チラシ

合田観光商事(屋号:ひまわり)の全店休業チラシ

 この合田観光商事の決定は、パチンコ業界内に大きな波紋を呼んだ。  何よりも、北海道知事の呼びかけに応じ、すぐに英断を下した合田観光商事に対する羨望と称賛と驚きがあった。土日2日間の営業を30店が休む。莫大な売上だ。その売上よりも、社会的要請に応じた企業姿勢に業界関係者の多くは感服した。  一方で、このような事が大々的に宣伝されれば、「パチンコ店は休んで然り」という考え方が広がりかねない。営業を止めろと無責任に言うのは容易だ。しかしそれぞれのパチンコ店に、それぞれの事情がある。1日や2日ならまだしもこの先どれだけ長引くか予測がつかない状況のなかで、営業を停止するという事は会社の経営にも直結する。働く社員たちの生活もある。営業の中止は、即ち倒産になり兼ねないパチンコ店も数多くあるのだ。
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自粛ムードの中、「娯楽」の存在意義
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