在日外国人からは文化的な違いからも、今回の決定に疑問を呈する声があがっている。
「職務形態や経済層にもよりますが、欧米では定時で仕事を終えて16〜18時ぐらいには親が帰ってくるので、
日本でいう“鍵っ子”のような概念はあまり一般的ではありません。中高生ならまだしも、
小学校低学年の子どもを一人で家に置いたまま留守番するというのは、あまり考えられない」(アメリカ人男性・45歳)
こういった状況では、親の責任が持ち出されがちだが、それに対しても反発は強い。
「子どもの面倒は親が見るべきというなら、同じようにテレワークも全企業で徹底して、残業なども一切禁止にするべきです。学校へ行けなくなった子どもの面倒を見るために親が休みを取るなら、
有給を取得するべきだなんてふざけたことを言ってないで、その間の給料を政府や企業に保障してほしい。もともと日本政府は家庭や
子どもに対してのケアが希薄ですが、今回の決定はその最たるものだと思います」(同)
また、ネット上では、感染が危惧されている
高齢者が親に代わって子どもの面倒を見るというケースが増える可能性も指摘されている。
たびたび「責任」を口にする政府だが、
親や教師に投げっぱなしにする態度は無責任そのものだ。
収束する気配のない新型コロナウイルス問題。親子共々、果たして無事に新学期を迎えられるのか。それが難しい場合は、どういった対応が行われるのか。その場をしのいだだけで、政府も春休みに突入とならなければよいのだが……。
<取材・文/林 泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン