一斉休校に混乱する親と教師。在日外国人からも「子ども軽視の最たる例」との声
安倍首相のトップダウンでスタートした、全国小中高の一斉休校。突然の要請に、現場の教育機関や保護者の間では混乱が生じている。
新型コロナウイルスの拡大を受けて、今月2日から春休み中の期間で始まった一斉休校。都内の公立高校に勤める教師からは、戸惑いの声が漏れている。
「一斉休校は教師にとってはなかなか大変です。まず、とにかく急な話。2月27日木曜日の夜に要請が出て、金曜日のお昼までに会議をして休校を決定しました。そして、土日を挟んで月曜日から約ひと月休校になるので、すべてを半日で決めなくてはならず、ものすごく忙しかったです」
決定が下されただけで、問題は山積みのまま。具体的な指示も行き渡っていない。
「学年末考査(学年末テスト)もできません。我々教師は月曜日からどうするか検討していますが、成績や学事関係をどうするか、過去に前例がないので難しいです」
甚大な被害をもたらし、さまざまな公共交通機関や社会活動が停止した東日本大震災の際でも、多くの学校は期末試験を終えて春休みが目前。試験や行事が山盛りの現在は様相が違うようだ。
「今のところ卒業式は行う予定ですが、それもどこまで制限するか決めなくてはいけません。恐らく保護者も在校生も入れず、1時間程度の式になるのではないかと思います。また、部活動の大会も軒並みなくなります」
当の政府内ですら混乱をきたしているなか、場当たり的に決定された休校。そのツケは現場に立つ教師に押し寄せている。
また、日本の学校に通う子どもを持つ在日外国人からも、政府の場当たり的な対応に憤るコメントが。日本人女性との間に中学生の娘を持つアメリカ人男性(42歳)は次のように語る。
「こういった事態では大きな決断を迅速に下す必要があります。その点に関しては理解できますが、あまりにも投げやりです。突然、ニュースで一斉休校を知りましたが、妻も私もどうなるのかさっぱりわかりませんでしたし、混乱しているだろうから学校にも聞けない。
うちは私もそれなりに日本語が話せますし、妻が日本人だからまだいいですけど、これが英語やそのほかの外国語しか通じない親であればどうするのか。決定に対しての結果を一切考えていませんよね」
説明に追われる教師と親の間に、言語の壁も立ちふさがるとなれば、パニックは拡大して当然だろう。
対応に追われる現場の教師
日本語が通じない親はパニックに
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