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確証バイアス
人間は自分が信じたい情報を信じるようにできている。
一度、ある仮説を信じるとそれを肯定する情報ばかりに目がいってしまう。さらに、仮説を否定する情報を無意識に無視してしまうようになる。
例えば、Aさんは一度もインフルエンザになったことがなく日頃から紅茶を飲んでいるとして、それを見たBさんが「ニュースで紅茶が効果があるって言ってたけど、本当なんですね」と、言ったとしよう。
仮に、Aさんが「いや、毎年予防接種受けてるからだと思いますよ」と言っても、Bさんは確証バイアスに陥っているため、「いや、予防接種は100%予防するわけじゃないから、きっと紅茶の効果ですよ」と、反論してくるだろう。冷静に定量的にインフルエンザへの予防効果を考えたら、予防接種のほうが効果が高いはずだ。
こうなると、正しい判断ができなくなってしまう。
何かを信じる前に、まずは情報を網羅的に集めて、定量的・論理的に正しそうな情報を選択しないと、意味がなかったり逆効果なことをやってしまう。
これは、ビジネスでも言えることだ。会社が抱える問題の仮説をひとつしか立てずに検証をしてしまうと、それを肯定する情報を重要と判断して、否定する情報をイレギュラーな情報や軽微な情報だと判断してしまう。
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ストーリーバイアス
人は
真実よりも「納得感」のあるストーリーがあると、その情報を信じてしまう。よく、霊感商法にも使われるテクニックで、相談に来た人に対して霊能者が、霊の話を絡めながら
納得感のあるストーリーを語ると、非現実的なことでも信じてしまうし、記憶に残りやすい。そこに納得感のあるストーリーがあるものの、客観的に見えると事実に沿っていなかったり、本人だけしか納得できない場合が多い。
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数字の信頼性
SNSにおける
「リツイート数」や「いいね」は、その数が大きいほど多くの人に支持されていると勘違いしてしまう。ただ、先ほど紹介したMITの実験でもあるように、
短期間で多く拡散される情報ほどデマの可能性が高いので、数字だけを信じるのも危険である。また、情報の中に「99.9%」のような数字が入ってるだけでも、無意識の情報に対する信頼度を高めてしまうので、「その数字が何なのか?」「根拠があるのか?」を見極める必要がある。