労働運動の衰退した社会と自己責任論。関西生コン弾圧をめぐって<佐高信×木村真>
一般の人も運動に反発する
自己責任論の蔓延
「自己責任」という考え方の影響も大きいと思う。一人で放り出されて、一人で責任取れっていうことになっちゃってる。
活動家で作家の雨宮処凛と話しててなるほどなと思ったのは、彼女は中学・高校時代はリストカットしてたと。つまり自分が今上手くいかないのは全部自分のせいだと思っていた。それで東京に出てきて、最初は右翼のバンドに入るわけでしょ。それで日本が悪いのは全部アメリカのせいだ、左翼のせいだ、みたいな話になって。で、そこで逆に社会を発見したんだと言っていた。あ、私だけの責任じゃないんだ、っていう。そこで自己責任から解放されたんだっていうんですよ。社会にも責任がある、っていうことを発見したんだね。で、社会を発見していない、あるいは社会を見ようとしない奴らが自己責任にこだわって、そいつらが今権力の座にいるから、すごく生きづらい社会になってるんですよね。
※近日公開予定の続編では、日本で進行する「警察国家化」について取り上げます。
<収録・構成/HBO編集部> 1
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