アウトドアグッズが凶器やゴミの山に変貌!? フジロックのマナーは改善されるのか
長らく世界一エコでマナーのいいフェスとして知られてきたフジロックフェスティバル。しかし、近年は大量のゴミが放置されたり、人ごみで椅子を畳まずに持ち歩く迷惑客が増加するなど、その名に陰りが見えている。
そして、東京五輪の影響で初の8月半ばの開催となる今年、ついに主催者側から公式に注意喚起が行われた。これまでも会場の内外でマナー向上に向けたアナウンスがなされていたが、今回はかなり厳しいものとなっている。
筆者は’06年からほぼ毎年参加し続けているが、たしかにここ数年は目に余るような光景が広がっている。アウトドアブームの加熱やガジェットの普及、入場者数の増加など、理由はいろいろあるだろうが、ライブや自然豊かな会場内の空気を純粋に楽しめず、ストレスを感じることが多々あった。
本項では公式ホームページで発表された会場内持ち込み禁止物・禁止行為を見つつ、そんな現状を振り返ってみようと思う。(参照:フジロックフェスティバル’20)
◆組み立て式X型アウトドアチェア(ヘリノックス等)
軽量・コンパクトで手頃な値段のアウトドアチェアは、ここ数年で野外フェスの必須アイテムとなっている。
ゴロンと地面に腰をおろして遠くからのんびりライブを見るのも醍醐味のひとつではあるが、朝から晩までライブを見たり、歩き回った足腰を癒す椅子があるとないでは疲労度は段違い。また、フェス飯を楽しむ際にも椅子に座って食べるほうが圧倒的に楽なのは間違いない。
しかし、すぐ広げて畳めることが最大の利点である一方、それすら面倒臭がって畳まずに担いだまま移動する客が目立つようにもなっていた。
広げたまま逆さまに担いだり、背中に背負った椅子の脚は、周囲の客にとっては凶器でしかない。目に当たれば失明の危険性もあるが、そんなことはおかまいなし。ほんの数ステップで収納できる椅子を畳まない客が増えたことで、ついに持ち込みが禁止されてしまった。
◆歩きタバコ、混雑場所での喫煙、禁煙エリアでの喫煙
以前からハッキリと注意されていた喫煙問題だが、あらためてクギを刺されることとなった。設置された喫煙所以外でも場所によって喫煙することは可能だが、喫煙者のマナー低下によってその境目が曖昧になっていたことは間違いない。
入場者の増加によって、以前は迷惑にならなかった場所が混雑場所になってしまい、「去年までは大丈夫だったから」と無意識のうちに迷惑をかけている喫煙者もいるかもしれない。
今後、あらかじめ設置された喫煙所以外は禁止、それどころか全面禁煙となる可能性もゼロではないだろう。喫煙が許可されているエリアでも混雑具合によっては非喫煙者に迷惑がかかることが十分考えられる。副流煙を撒き散らしていないか、文字通り「空気を読む」必要があるだろう。
椅子の脚が凶器に
混雑場所での喫煙が問題に
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