バルセロナのユニクロ (Photo by Paco Freire/SOPA Images/LightRocket via Getty Images)
覇者「ZARA」の本拠地で食い込む「PRIMARK」
スペインはファストファッション(FF)の王者ZARAが誕生した国だ。しかも世界でNo.2の観光国で外国からの訪問者は年間8000万人。ということから、スペインの人口4700万人の規模に比較してより多くの世界のファストファッションのブランドがスペインに進出して凌ぎを削っている。
その中で、アイルランド生まれの激安ブランドPRIMARK(プライマーク)はスペイン市場を飛躍の足場にしている。それを証明するかのように、PRIMARKのスペインにおける店舗の数50店舗は英国に次いで2番目に位置している。
今年はバルセロナのカタルーニャ広場に7000平米の店舗をオープンさせることになっている。それを凌ぐのがマドリードで展開させている1万2400平米の店舗だ。
PRIMARKがスペインに進出したのは2006年。現在までスペイン全国に50店舗を構え、マドリードに8店舗、カタルーニャで6店舗を中心に地方にも販売拠点を拡げている。また年内にスペインとフランスとで19店舗を新たに開設すると発表している。
ネット販売は今年からスタートすることになっている。しかし、価格が非常に安価だということで、ネットで注文してもそれを取りに行くシステムClick & Collectとなっている。(参照:「
Vos Populi」)
スペインにおけるPRIMARKの顧客数が公表されているが、1040万人と統計(2018年度)されて、その数はアパレル業界のNo.1である。それに続いてZARAの840万人、H&Mは680万人となっている。
PRIMARKに対抗して、ZARAの親会社インディテックスは激安ブランドLeftiesを市場に出したが、その顧客数は僅か310万人でしかいない。(参照:「
enterat」、「
Modaes」)
PRIMARKの凄さは、この顧客数を
僅か46店舗(2018年当時)で獲得しているということである。
その魅力は
価格だ。多くのアイテムが10ユーロ(1180円)とか20ユーロ(2300円)といった価格帯で、著名ブランド物を模写したようなデザインで、しかも品質も悪くない。2シーズン程度着用したあと捨てても金銭的に損をしていないという感覚にさせられる。それが高い顧客数を維持している主因である。