30%上がったら利確。下方修正や業界不振が判明したら損切り!
IPO銘柄などから独自のスクリーニングで割安成長株を探し出し、中長期で運用。これが弐億氏のスタイルだが、では、売りのタイミングはどうなのか?
「売買の基準やタイミングは敢えてキッチリ決めていないので、○%上がったら利確、○%下げたら損切りというように、オートマチックに売買することはありません。というのは、まだ投資を始めたばかりの頃、短期売買を繰り返し、後に10倍銘柄となったベネフィット・ワンやリログループを早々と手放してしまい、悔しい思いをしたことがあり、苦い経験から学んだ結果でもあります」
売り抜く際の具体的ポイントは?
「銘柄にもよりますが、これなら30%は上がる、倍増を狙える……と個別に妄想を働かせています(笑)。基本的には、30~40%値上がりしたら利確。反対に、業績の下方修正があったり、業界全体の先行きが不透明になった銘柄はさっさと損切りする。下方修正の発表があったら売るわけですが、例えば、業界全体のパイが小さくても、投資した企業がシェアを大きく確保しているなら問題はない。要は、業界そのものの先行きというより、業界のなかで強い銘柄ならいいのです」
弐億氏に倣って億超えを狙いたい。
販売不振に喘ぐ自動車業界。なかでも’19年11月、’20年3月期の純利益を96.2%減と下方修正した三菱自動車工業は、発表翌日に8%急落した
<売りのタイミング三カ条>
●30~40%上昇したら「利確」。ただし、判断は柔軟に
●予期しない業績の「下方修正」発表は即売りすべき
●制度改正などで落ち込みが見込まれる「業界」は要注意