タイ人にとって、日本旅行はタイ国内旅行よりコスパよし!? リピーターも増え、行き先もマニアックに

日光東照宮で見かけたタイ人観光客

東武日光駅

東武日光駅。東照宮まで徒歩30分弱だが、アジア人はバスやタクシーを使い、欧米人は徒歩で向かう人が多かった

 かつてそれほどタイが日本人から注目されていなかったころも日本人旅行者はタイにおり、現在のタイ好き同様、タイが気に入ってリピーターになった。そういった人々が徐々にガイドブックにはないタイを求め、マニアックになっていった。今、タイ人が逆に日本に対してそうなってきている。  かつての日本人タイ・マニアもそうだが、タイ人の日本マニアは以前は比較的若い人が多かった。ビザが必要だったときは観光客以外では出稼ぎ、日系企業の出張者といった面々が中心で、高齢であることはあまりなかった。先の地元民しかわからないような質問を筆者にしてきたのもやはり若者だった。  しかし、これだけ日本が近くなると、個人旅行で郊外へと遠出をする人は20代30代の若めなタイ人とは限らなくなってきた。栃木県日光市にあるユネスコ世界文化遺産の「日光東照宮」でもタイ人を見かけた。外国人は大半が中国人、あるいは韓国人のようだったが、ほんのわずかタイ人も来ていたのだ。見た感じでは40代50代のグループだ。  彼らに軽く話を聞いてみた。 「東京は何度も来ているので、郊外を見てみようと思い来てみました。日帰りで楽しんで帰ることができるので、いい場所ですね」  どうやら、リピーターとなり、行動範囲を広げているのは若者だけというわけではないようだ。

タイ語で行き方も検索できる「日光」

澄んだ水の川はタイにほとんどないので珍しい

澄んだ水の川はタイにほとんどないので珍しい

 日光は東京から遠くはないが、案外行きづらい。電車だとJR線か東武線になるし、バスでは宇都宮まで向かって乗り換えるなど面倒だ。  それでも、観光スポットの多い日光市は当然タイのブロガーたちがすでに取り上げていて、行き方はタイ語で検索できるほどだ。JR線は外国人向けの乗り放題パスも用意しているので、日光はタイ人には意外と安価に行ける場所でもある。安価に加え、2時間程度の所要時間という、ちょうどいい距離感で旅情と冒険心も満たされる。  東照宮は東京在住者でもそう滅多に行くような場所ではないので、タイ人もまだまだ少ない。それもまたマニアックな旅行を求める人に向いているようだ。ある程度歳をとると手つかずの場所に行ってオンリーワンの思い出話を語りたい思いもありつつ、でも安全に行って帰ってきたいと考える。そんな人の東京旅行における日光への遠出はちょうどいい。
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タイ国内旅行より日本旅行のほうがコスパよし!?
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