立憲民主党代表・枝野幸男氏
野党“合流”協議の真っ只中に立憲民主党代表・枝野幸男を直撃
’20年は解散総選挙の年。永田町ではそう囁かれている。本命は東京五輪の余勢を駆っての秋解散だが、6月解散で東京都知事選とのW選挙に持ち込む、という見立ても。これに対して「2月解散」の可能性を指摘しているのが、立憲民主党の枝野幸男代表だ。「桜を見る会」問題に加え、秋元司・元国交副大臣の逮捕で幕を開けたIR疑獄に揺れる自民党をいかにして追い詰めるのか? 野党合流協議真っ只中の12月25日に枝野代表を直撃した。
――’19年は安倍首相が「桜を見る会」に地元後援者を招待するなどして私物化していた疑惑が大きな注目を浴び、直近では自民党の秋元議員が中国のカジノ関連業者から賄賂を受け取っていた疑いで逮捕された。’20年はどう安倍政権と対峙していくのか。
枝野代表:IR疑獄は国会で徹底的に追及するとともに、政府としての見解を示すよう求めていきます。なぜなら、モリカケ問題や桜を見る会も含めて一連の事件は、
安倍政権による「権力の私物化」が根底にあるからです。強大な権力を振りかざすことで
“忖度”を生み、子供だましの隠蔽工作やウソをつき通してきた。桜問題では
招待者名簿の提出を要求した当日に廃棄して隠蔽し、名簿のバックアップデータの開示を要求すると菅義偉官房長官は「公文書ではないので開示の必要なし」と堂々とウソをついた。
名簿が公文書管理法に基づいて廃棄されたと説明しておきながら、バックアップデータは公文書ではないなんて主張を通そうしているんです(苦笑)。こうやってウソを繰り返し、逃げるのが安倍政権の常套手段。’17年にはモリカケ問題の真相を明らかにすべく
臨時国会の召集を求めると、安倍首相は臨時国会の冒頭解散で審議から逃げました。
――’19年の通常国会も安倍首相が出席する予算委員会が長期間開かれず、臨時国会でも開催を拒否し続けた。
枝野:そのとおりです。
審議拒否で逃げ延びた。しかし、これは想定内。桜問題に関しては当初から1月20日に召集される通常国会の予算委員会に焦点を当ててきました。年末年始を挟んで国民の関心が薄れる可能性がありましたが、過去の桜を見る会の首相推薦枠は「60」という番号で区分されていたことなど、新事実が次々と明らかになってきました。そのために立憲民主、国民民主、社民、無所属フォーラム、社保国(社会保障を立て直す国民会議)で9月に結成した共同会派と共産党などで追及本部を設置して、いかにして安倍政権を追い詰めるか話し合ってきました。
――桜問題では安倍後援会の前夜祭がホテルニューオータニで会費5000円だったと問題視されたが、その後、立憲民主の海江田万里議員も同じホテルで一人5000円程度のパーティを開催していたと報じられ、「ブーメラン」と話題になった。
枝野:その指摘は見当違いです。なぜなら、政治資金パーティは「来ない人がたくさんいる」ことを想定しているもの。パーティ券代の購入者数に対して参加者は何分の一という数になるのでホテルへの支出は減り、パーティ券の購入者数で支出を割ると、一人当たりの負担が小さくなってしまうのです。しかし、
「前夜祭」はあらかじめ参加者が確定しているもの。同じ5000円でも、比較対象にはなりません。