菅原一秀前経産相、本人不在で秘書らが年始の駅頭挨拶。記者を見るや否や、自民党の幟をほったらかして一斉逃亡

有権者に説明する意志皆無としか思えない

 道路交通法は第76条3項で、こう定めている。 〈何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。〉  演説などの際ののぼりは、人がそばについていれば通行の妨げになった場合や倒れた場合でも対処できるが、無人のまま放置した場合はそうはいかない。菅原氏陣営が放置したのぼりが「落とし物」扱いとなったことからも、道路使用許可などを得ての設置ではなかったと思われる。  地元有権者でもある鈴木エイト氏によると、菅原氏のスタッフらは過去、取材を避けるために立ち去ったわけではない場面でも、のぼりを立てたままスタッフ全員が引き上げていったことがあるという。 「のぼりを有権者に見せるために意図的にやっている可能性もある」(鈴木氏)  前述の通り、放置されたのぼりが「落とし物」ではなく「意図的に設置したもの」として扱われた場合は、道路交通法違反になりかねない。  それにしても、だ。有権者への年始の挨拶は本来、政治家にとって重要な行事ではないのだろうか。ましてや衆院選が行なわれる可能性があると言われている年の初めだ。  にもかかわらず菅原氏本人の姿がなく、秘書たちだけが挨拶に立っていた。その秘書たちも、記者を見るやいなや全員が立ち去ってしまった。道交法違反になる危険を犯してまでのぼりを放置して。  菅原氏陣営にとって、取材されないようにすることは有権者への挨拶や選挙よりも法律よりも重要なことらしい。いよいよもって、有権者買収問題等々について「説明」する気はないようだ。 <取材・文・撮影/藤倉善郎 取材・撮影/鈴木エイト>
ふじくらよしろう●やや日刊カルト新聞総裁兼刑事被告人 Twitter ID:@daily_cult4。1974年、東京生まれ。北海道大学文学部中退。在学中から「北海道大学新聞会」で自己啓発セミナーを取材し、中退後、東京でフリーライターとしてカルト問題のほか、チベット問題やチェルノブイリ・福島第一両原発事故の現場を取材。ライター活動と並行して2009年からニュースサイト「やや日刊カルト新聞」(記者9名)を開設し、主筆として活動。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(宝島社新書)
1
2
3