タイで邦人襲撃事件。日本人の多さ故に「慣れがち」なタイ生活に潜む危険性

最大の防衛策は?

タイは街灯がオレンジで薄暗く、人通りがない場所も多い

タイは街灯がオレンジで薄暗く、人通りがない場所も多い

 幸いというか、タイは治安が悪いことで防犯カメラが至るところにある。自治体や警察が設置しているものは多くないが、民間企業や店舗、民家が設置していることが多く、タイ警察は捜査の際にそれらの映像を繋ぎ合わせて犯人逮捕に臨む。これによって今回の強盗事件も犯人逮捕に繋がった。  とはいえ刃物で刺されては、犯人が逮捕されたからといって諸手を挙げて喜ぶわけにもいくまい。タイは銃社会でもあるので、刃物だけでなく拳銃による事件も少なくない。冒頭の事件の報道では、後頭部は財布を差し出したあとに傷つけられたという。  これは在住者だけでなく、観光客にも関係することだ。ナイト・エンターテインメントのが充実したバンコクでは、深夜に飲みに出かけて帰ることはよくある。その際は宿泊先の目の前までタクシーを使うことをおすすめしたい。さすがに繁華街・歓楽街で、そして守衛のいるホテルやアパートの玄関先で強盗する犯罪者はそういない。だから、これが最低限、かつ最大の防犯対策なのだ。 <文/高田胤臣>
(Twitter ID:@NatureNENEAM) たかだたねおみ●タイ在住のライター。最新刊に『亜細亜熱帯怪談』(高田胤臣著・丸山ゴンザレス監修・晶文社)がある。他に『バンコクアソビ』(イースト・プレス)など
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