ローコストでも始められる? 貸し会議室投資は本当においしいのか?

収益力の高さも侮れない

採光も重要

備品はニトリやイケア、ネット通販を駆使して調達することが多いとのこと。「室内の装飾や備品選びだけでなく、部屋の採光も印象を大きく左右する要素です

 初期投資の少なさもさることながら、収益力の高さも優れている。 「僕の場合、30万~50万円の初期投資で、部屋によってバラつきがありますが、月4万~5万円の収益が出ます。これは保有するアパート1室の賃料収入に匹敵するので、収益力の高さは比べ物になりません。年利100%超えの会議室も複数あるので、元手の少ない会社員でも始めやすく、規模を拡大させやすいはずです」

管理は自力でやり続ける覚悟を持って臨む

 少ない元手でも高収益といいことだらけの貸し会議室投資だが、運営にあたっての苦労は避けられない。 「まず、賃貸経営と比べて、管理が大変ですね。不特定多数が利用する施設なので、お客さんからの問い合わせが絶えない。12室も運営すると1日1件は僕のところに問い合わせが来ます。圧倒的に多いのが『鍵の開け方がわからない』という内容。シンプルなキーボックスを採用して、丁寧な説明書も用意しているのですが、それでも電話が鳴ります。話を詳しく聞いてみると、集合ポストのダイヤルを回していたりするんです……」  賃貸経営同様、管理を代行する業者も存在するが、依頼すると手数料が発生するため、自主管理を続けているというKENJI氏。 「あとは予約が入らないと赤字が続く可能性があるのはやはり何より怖い点です。不動産賃貸でも空室はありますが、会議室の入居率は圧倒的に予測がしにくい。努力を怠れば固定費割れで赤字に転落です。不動産収入は不労所得と言われることもありますが、貸し会議室については絶え間ない経営努力が不可欠です」  現在、貸し会議室だけでも平均的な会社員の月収を超えるKENJI氏だが、安定して結果を出すための秘訣は「女性目線」だと明かす。
ちょっとした非日常

「ちょっとした非日常」が利用者の心を掴む!「ほんの少し非日常感」がポイントだとKENJI氏。「『自宅にはちょっとない空間』を演出することを意識しています。お金をかければ素敵な空間は作れますが、それだと採算がとれない。あくまでも『ちょっと』なんです」

「水回りの清潔さや写真の印象、安心感といった女性に嬉しい要素を重視します。利用者の男女比は1:1だとしても、男女混合のグループの場合、部屋を押さえるのも女性受けのいい部屋が喜ばれます。僕の肌感覚では女性利用者は75%ほどいると思っていて、奥さんのセンスやアドバイスがすごく役に立っています。ただ、気をつけるべきことは多いですが、仮に貸し会議室への投資の場合、失敗しても損失額が小さく、致命傷にはなかなかなりません。なので、まずは始めてみることをおすすめしたいですね」
トラブル対応は結構たいへん

自主管理が基本となる貸し会議室投資の場合、利用者のからの問い合わせ、部屋の清掃なども基本的に自分で行う。「以前、利用者の方からトイレが詰まったという問い合わせがあり、対応に追われたこともありましたが、そういったトラブルは珍しくはありません」

 ほかの不動産投資と比べて圧倒的に少額で始められる貸し会議室。リスクを十分に理解したうえで、このトレンドで勝負をするべし。 <一発逆転不動産投資3箇条> 1 PDCAを高速で回していき工夫が成果に繋がるかを検証 2 内装や写真は女性目線での好感触を狙っていく 3 “必要経費”として管理の苦労は受け入れる 【KENJI氏】 愛知県在住の不動産投資家。戸建て、アパート、簡易宿所を所有するほか、名古屋市内で12室の貸し会議室を運営することで、月44万円の手残りを実現している
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