株価10倍「テンバガー」。過去の達成銘柄から見えてくる共通点とは?

株価急騰

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

過去の20年で200銘柄以上が達成! テンバガーは夢の話ではない

 個人投資家なら一度は夢見るテンバガー。テンバガーとは「株価10倍を達成した(あるいは10倍高しそうな)銘柄」のことだ。その魅力は、なんと言っても投じた資金を一気に急拡大させられる点にある。  仮に100万円を投資している銘柄がテンバガーを達成すれば、その1銘柄だけで1000万円まで資産が拡大。同じ条件で2銘柄のテンバガー発掘に成功すれば、それだけで’19年に話題となった金融庁の「2000万円問題」は一挙解決だ。とはいえ、「10倍高なんて本当に実現可能なのか?」と考える読者もいるだろう。まずは、実際にテンガバーとなった3銘柄をご覧いただきたい。

10年間で30倍にもなった「コスモス薬品」

コスモス薬品

コスモス薬品は九州が地盤のドラッグストアだが、都内にも進出。’19年末には、新宿歌舞伎町にも出店した

 まずは、売上高が10年間で3.4倍! 株価もほぼ一貫して上昇を維持しているという「コスモス薬品」(東証1部・3349)だ。’18年初に一時急落も再び高値更新をうかがう状況にある。
コスモス薬品

コスモス薬品

 コスモス薬品は九州を地盤とするドラッグストアで、自社店舗との競合もいとわない積極的な出店戦略で成長を続け、売上高はこの10年間で約3.4倍、純利益は6.7倍に拡大。株価も’08年から’17年の10年間で約30倍に大化けした。この銘柄の特徴は、’15年など一時期を除けば株価が’08年からほぼ一貫して上昇を続けていること。’18年初頭には一時的に急落したものの、現在は再び高値をうかがう動きを見せている。暴落局面をつくらず上昇をキープするテンバガーの理想形と言っていいだろう。

「安倍利権」に守られる(?)「ベネフィット・ワン」

ベネフィット・ワン

ベネフィット・ワンは人材サービス大手「パソナ」のグループ会社。国、地域と上手に連動し業績を伸ばす

 安倍政権の進める「働き方改革」を追い風に成長しているのが、竹中平蔵を会長に擁する「パソナ・グループ」の「ベネフィット・ワン」(東証1部・2412)。安倍政権のクローニズム(身内優遇)もあって’12年以降はほぼ右肩上がり!
ベネフィット・ワン

ベネフィット・ワン

 「パソナ・グループ」の「ベネフィット・ワン」は、官公庁や民間企業の福利厚生を代行するサービスを展開する企業。「効率経営」という大義名分で、福利厚生をアウトソースする企業が増加してきた。それによって、同社も高成長を遂げてきたわけである。最近では、政府による「働き方改革」も同社にとっては追い風だ。コスモス薬品同様、会社の成長に伴って株価は長期的な上昇トレンドを形成。’12年頃からほぼ右肩上がりとなっているのが特徴で、’11年の安値から’19年には40倍に化けている。’19年5月から7月にかけて一時的に大きく値を下げたものの、すぐに反転。高値更新に期待できる。
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「テンバガー」なりのリスクも
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