家族が猫を預かるも「このままでは生活が崩壊してしまう」
保護された93匹の猫は、動物愛護センターとご兄弟の自宅、たんぽぽの里の計3か所で預かっています。
愛護センターでは、およそ30匹の猫がゲージの中で保護されています。全国から送られてきた支援物資も活用されています。
神奈川県内のセンターで保護されている猫
神奈川県内のセンターで保護されている猫
支援物資の山
しかしいつまでもセンターで預かるわけにもいきません。センターの所長は「本来は12月末までということでお預かりしましたが、里親が見つかっていません。2月末までには何とかしたいという気持ちでいます」と話していました。
残りの40匹はご兄弟が神奈川県内の自宅で預かっています。中には、神経の病気に罹患し、体の揺れが止まらなくなってしまった猫も。
ご家族の家で保護されている猫
「独立した娘が使っていた部屋で40匹の猫を飼っています。とてもかわいいのですが、朝はエサやりと掃除に3時間かかります。昼も様子を見に行く必要がありますし、夕方にもご飯や水をあげるのに2時間はかかります。家族にお弁当を作ってあげる余裕がなくなってしまいました。
引き取った当初は、下痢や栄養失調で入院する子も多く、不妊手術も必要でしたから、合わせて200万円以上の出費になってしまいました。現在でも、エサやトイレの砂にお金がかかっていますし、とてもこの生活は続けられません。しかし殺処分になりかねないと思うと、手放すこともできません。早く
きちんとした里親を見つけて、引き取っていただきたいと思っています」
たんぽぽの里が運営する病院「たんぽぽあだぷしょんぱぁく」でも、およそ10匹が保護されています。
たんぽぽあだぷしょんぱぁくで保護されている猫
たんぽぽの里の石丸代表は、毎年何件もこのような現場に出くわすといいます。
「猫が好きでかわいそうだと思って、ついつい拾ってきてしまい、頭数が増えてしまう人が多いようです。きちんと飼えないのであれば、抱え込まないことが大切です。
最初はきちんと世話をしていても、何かをきっかけに調子を崩していってしまうことがあります。例えば、飼い主が体調を崩して1~2回世話を休んだだけで、掃除が大変になってしまいます。子猫の世話も大変ですしね。猫に振り回されて、調子を崩し、どうしたらいいのかわからなくなって世話ができなくなってしまうというケースがほとんどです。
現在は私を含め多くのボランティアが無償で活動していますが、もっと行政に積極的に動いてほしいと思います」
<取材・文/HBO編集部>