今年は台風で中止の高知運転所一般公開。過去の開催風景を写真で振り返る!<コロラド博士の「鉄分補給」>

近づいてみることのできる車両

 展示車両の他にも、イベント中に近づいてみられる車両は多いです。例えば2015年には、車輪削正線(転削線)にキハ32と車両移動機が留置されているというちょっと珍しいものを見ることができました。
車輪旋盤とキハ32

軌道自転車(レールスター)終点の先には車輪旋盤とキハ32 2015/10/17撮影 牧田寛

車両移動機とキハ32

車両移動機とキハ32 2015/10/17撮影 牧田寛
転削線では、当然自走せず車両移動機を使います。
写真は、アント車両移動機、その名の通り蟻さんのように力持ち

 今回は、2007年の写真からご紹介していますので、すでに廃車となった国鉄キハ58系や、12系客車などの懐かしい車両が多くあります。これらは当然、現在は配置されていませんし、国鉄キハ54形のように現役ですが、高知車両所への配置がなくなった車両が写っています。
2007年の同じ始業留置線

2007年の同じ始業留置線2007/10/20撮影 牧田寛
留置線番号は、左から10番線、9番線、8番線、7番線
左から国鉄キハ58系、JR四国2000系、国鉄キハ58系、国鉄キハ32形・キハ54形
2008年に国鉄キハ58形は全廃されました。またキハ54形は、現在高知運転所にはいません

 とくに2008年までは、検修車庫内でムーンライト高知用の12系客車とDE10ディーゼル機関車を展示しているのが定番でした。2009年年始ダイヤで廃止されるまで、ムーンライト高知は、年末年始や夏休み、春休みの定番臨時夜行列車で、10月頃から検査と修繕のために検修車庫に入庫していたのですが、残念ながら車両の老朽化と夜行列車廃止の動きから2009年に列車廃止、2010年に車両廃車の上で2011年に若桜鉄道に売却の上で回送されて行きました。
検修車庫内(交検3番線)のDE10-1094とオロ12-6

検修車庫内(交検3番線)のDE10-1094とオロ12-6 2007/10/20撮影 牧田寛
季節列車のムーンライト高知(高知・大阪間夜行)に使われていたもので、2009年に廃止されました

検修車庫内(交検1番線)のキハ32-20

検修車庫内(交検1番線)のキハ32-20 2007/10/20撮影 牧田寛
左奥に見えるのはDE10-1094

検修車庫内(交検3番線)のオロ12-6とDE10-1094

検修車庫内(交検3番線)のオロ12-6とDE10-1094 2007/10/20撮影 牧田寛
年末年始の臨時列車運用に向けて修繕中でした
この車両は、2010年に廃車となり、2011年に若桜鉄道へと売却、回送されました

オロ12-6カーペットカー車内

オロ12-6カーペットカー車内2008/10/18撮影 牧田寛
この写真は、翌年撮影したオロ12-6です。
この翌年年始には、ムーンライト高知は運行されず、そのまま翌2010年に廃車となりました

 その後は、検修車庫内で車内展示することはなくなったと思います。それどころか、一両も入線していないこともあります。但し、アイランド・エクスプレス四国Ⅱなどのイベント列車が入庫していることもありますので、これも毎年のお楽しみです。

移転後ならではのスッキリとした動線

展示中の2104と2030

展示中の2104と2030 2015/10/17撮影 牧田寛
2030は、車内見学もしています

検修車庫内のアイランドエクスプレス四国Ⅱ編成

検修車庫内のアイランドエクスプレス四国Ⅱ編成2014/10/18撮影 牧田寛
イベント列車となっている国鉄キハ185系
検修車庫内の展示車両は毎回変わりますが、いない年もあります

スロフ12-3

すでに廃車となっていたスロフ12-3 2010/10/16撮影 牧田寛
2年以上使われていないために日射で塗装はボロボロでした
この車両も翌年、若桜鉄道に売却の上で回送されました

スロフ12-3車内

スロフ12-3車内2010/10/16撮影 牧田寛
外の塗装はボロボロですが、内部はきれいなものでした

スロフ12-3車内プレート

スロフ12-3車内プレート2010/10/16撮影 牧田寛

仕業留置線5番線に留置中のムーンライト高知用12系客車

仕業留置線5番線に留置中のムーンライト高知用12系客車 2007/10/20撮影 牧田寛
ムーンライト高知は、主として年末年始、春休み、夏休みに運行された夜行臨時列車でしたが、留置中に強い日射で塗装がボロボロになっていました。運行前に塗装を含め修繕していましたので、運行コストは高かったと思われます

仕業留置線5番線に留置中のムーンライト高知用12系客車

仕業留置線5番線に留置中のムーンライト高知用12系客車2007/10/20撮影 牧田寛
隣の車両は、洗車体験に使われている1000形

 ここまで屋外展示を一望すると、来場者の動線と線路の交差部が高知運転所では、転車台の前後にしかありません。とくに頻繁に走っている軌道自転車の動線と来場者の動線が完全に分離していることは大きいです。結果として高知運転所では、来場者の安全確保のために人力踏切を設置する必要がないのでしょう。また年を重ねるにつれて、来客の立ち入り可能な場所が少しずつ広がっています。  スッキリした動線を持つ郊外移転後の新しい施設ならではと思います。
次のページ 
子連れほのぼのイベントで雰囲気が異なる一角が……
1
2
3
4