「甘えちゃってSorry」の成功を後押ししたYouTubeの「歌ってみた」文化。AYA a.k.a. PANDAの足跡<ダメリーマン成り上がり道#22>

MCバトルのブームは羨ましかった

――MCバトルのシーンが盛り上がっていく過程は外からどう見ていましたか。 AYA:「そこは焦りましたね。ACE とか黄猿とか輪入道とか、よく一緒にやっていた知り合いが急に人気になって、フツーに羨ましいなと。でもじゃあ、自分がバトルをやるか? というと、やっぱりやらないし、自分は自分のやることを続けてきた感じですね」 正社員:「アヤパンはS7ICK CHICKs(スリック・チックス。4MC&1シンガーのフィーメールクルー)の活動もしてたからね。スリチクに参加したときは『アヤパン勝負に出たな!』って思ったよ」 AYA:「正社員さんはイベントも何度か呼んでくれましたよね」 正社員:「出てもらいましたね。スリチクのメンバーのLIPSTORMはバトルも出ていましたし」 ――そしてアヤパンさんは‘17年にソロ作品「甘えちゃってSorry」で大きくブレイクするわけですが。 正社員:「ホント正直に言わせてもらうと、まさか売れるとは思ってなかった」 AYA:「ひどーい!」

“らしさ”を変えることなくブレイクした凄さ

正社員:「だって『甘えちゃってSorry』が出たときは、『あ、アヤパン新しい曲を出したんだ』って感じで、いつもどおりの知り合いのリリースだったんですよ。それが、しばらくしてYou TubeのMVを見たら、再生回数が100万回とかになってて、『うそ、何これ?』って。  それが200万、300万と増えていって、周囲でもアヤパンの曲を聴いてる人が増えていったんです。特に驚いたのが、お金持ちの人にキャバクラに連れて行ってもらって、5~6時間お店にいたときに、女のコのアヤパン知ってる確率がほぼ100%だったんですよ」 AYA:「代わる代わるテーブルについた女のコが、みんな知ってたってこと? うれしい!」 正社員:「自分と同世代とか、もうちょっと下の女のコはバリバリ知っているんですよね。あと小学生も知ってたりしますから」 AYA:「ちっちゃいコもケッコー聞いてくれてます」 正社員:「知り合いが『小6の娘と駄菓子屋に行ったら、同級生がみんな「甘えちゃってSorry」を聴いてたよ』って言ってて。もうそんなレベルなんだと驚きました。でも昔からアヤパンはアヤパンで、音楽のスタイルも特に変わってないと思うんですよ」 AYA:「あんま変わってないですね」 正社員:「だよね。だって俺、『甘えちゃってSorry』のMVを見たときも、今までのアヤパンのMVだなって思ったもん」 AYA:「あー、そういう感想はうれしい!」 正社員:「あまり方向性変わっていないのに、こんだけ人気になったのが凄いなって」
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MCバトルの女性客増はやはり難しい?
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