菅原一秀元経産相の元公設秘書、柴田さちこ・練馬区議の集会でなぜか取材妨害の大暴れ

10月に辞任した菅原一秀・前経産相

10月に辞任した菅原一秀・前経産相

菅原元経産相の元公設秘書である柴田さちこ練馬区議の区政報告会

 11月5日、練馬区立勤労福祉会館で練馬区議・柴田さちこ氏の区政報告会が行われ、数十人の支援者が集まった。練馬区は、週刊文春でメロンやカニなどの食品や香典を有権者に送った問題や「秘書給与ピンハネ」「パワハラ」等々の疑惑を報じられ先月辞任した菅原一秀前経産相の地元選挙区にあたり、柴田氏は菅原氏の元公設秘書。区議選の際には菅原氏本人が街頭で柴田氏を応援した間柄だ。  柴田氏の報告会に菅原氏が登場する可能性があったため、私とジャーナリストの鈴木エイト氏は現地に赴いた。菅原氏は姿を現さなかったが、現場は菅原事務所の秘書らが警備。私たちを見つけると、柴田陣営関係者と一緒になってカメラを遮り取材を妨害し、また警察に通報して7人ほどの警察官が駆けつける大騒ぎとなった。報告会終了後も、会場を後にする支援者たちに話を聞こうとする私たちに柴田・菅原陣営の関係者らがつきまとい、勤労福祉会館前の公道で「取材拒否!」などと大声を上げたり鈴木氏を突き飛ばしたり、最後まで混乱が続いた。  柴田氏の区政報告会の情報は、読者から寄せられた。また鈴木氏によると、通常、柴田氏の集会には菅原氏が出席することもあるという。これまで本誌でリポートしてきた通り、統一教会との関係や虚偽告訴問題について明確な説明をしなかったり取材を無視したりしてきた菅原氏。私と鈴木氏は経済産業省広報室から大臣会見取材を「永劫に」禁じられ菅原氏への唯一の取材機会を奪われたが、有権者への買収問題で大臣を辞任したいま、横暴な経産官僚に取材を邪魔されることもない。地元で菅原氏を見つけさえすれば直接取材できるのではないかと、柴田氏の報告会会場に向かった。

「バトんなきゃいけないわ」と菅原氏の私設秘書

 勤労福祉会館の玄関を入る際、出迎えたスタッフたちの中に菅原氏の私設秘書・佐竹京子氏の姿があった。菅原氏が代表を務める自民党東京都第9選挙区支部が2017年に統一教会系団体「世界平和女性連合」に会費1万5000円を支払った際の会計責任者だ。今年7月の参院選の際、武見敬三候補(東京選挙区、自民)の演説会に来た私や鈴木氏の入場を妨害した人物でもあり、お互いに顔を見知っている。  私は柴田氏の報告会会場である集会室には向かわず喫煙室に身を隠したが、すでにバレてしまったようだ。このときロビーにいた私の知人が、佐竹氏がスタッフとこんな会話をしているのを聞いた。 「あなた、タバコ吸う? 武見敬三のときみたいにバトんなきゃいけないわ」 「藤倉よ。藤倉がいるってことは鈴木もいるわよ!」  1匹見つけたなら、もっといると思え。ゴキブリか。
喫煙室を見張る佐竹氏

喫煙室を見張る佐竹氏

 関係者らが、喫煙室の前を見張ったり中に様子を見に来たりした。その間に、鈴木氏が会場入口に到達したが、地元・練馬区民であるはずの鈴木氏も入場を拒まれた。スタッフらの対応を取材すべくカメラを回し始めた鈴木氏に、関係者らが突っかかる。 「撮影はやめて下さい!」  集会室の外の廊下で揉み合いが始まった。  私も喫煙室を出て鈴木氏の方に向かったが、カメラを取り出す前から関係者に「今日はどのような御用で」などとつきまとわれた。ここは勤労福祉会館。公共の施設だ。にもかかわらず、報告会場の外である公共施設の廊下すら、満足に歩かせない気だ。
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「実力行使」で取材を排除
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