アクセンチュア、ソニー、ユニリーバが推進するダイバーシティ。「多様な人材がいる方がイノベーティブなものが生まれやすい」

日本初のダイバーシティに関するキャリアフォーラム

日本航空のブース 就活に際し、学生向けに毎年大規模なキャリアフォーラムが開催されていることは広く知られているが、「ダイバーシティ」をテーマに掲げたキャリアフォーラムも開催されていることをご存知だろうか。  10月19日、渋谷区にて日本初のダイバーシティに関するキャリアフォーラム「RAINBOW CROSSING TOKYO 2019」が開催された。認定NPO法人ReBitが主催し、2016年にLGBTをテーマに始まったこのフォーラムは、今年で4回目。  今回は「LGBT」「ジェンダー」「障がい」「エスニシティ」の4つをテーマに掲げ、属性・特性にかかわらず「誰もが自分らしく働く」ことを考える企画を多数開催。Google、IBM、資生堂などの有名企業を含む36 社が出展し、学生・就活生・社会人など約1000人が来場した。 経験談ブース 出展企業のブースの他にも、「就活のときセクシュアリティをカミングアウトするか迷っている人集合!」といったリアルなテーマで話し合う「キャリアカフェブース」や、「ADHDの公認会計士が選んだシゴトの話」などをテーマに経験者が語る「経験談ブース」など、キャリアに悩む様々な人に寄り添ったコンテンツが目白押しだ。

多様な人材が集まっている方がイノベーティブなものは生まれやすい

ダイバーシティ&インクルージョン推進と経営・組織   そんな中、講演会場では企業によるセッションも実施。「ダイバーシティ&インクルージョン推進と経営・組織~2020年の先を考える~」と題して、アクセンチュアのマネージングディレクターなどを務める篠原淳氏、ソニー人事センター・センター長の望月賢一氏、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスのヒューマンリソース人事マネジャービジネスパートナーの岡田美紀子氏の3人が登壇。企業としての視点で、ダイバーシティを語った。  アクセンチュア、ソニー、ユニリーバという、業種の異なる3社であるが、企業におけるダイバーシティの重要性に対する認識は同じようだ。「グローバルにコンサルサービスを提供している企業としては、イノベーティブでいなければならない。多様な人材が集まっている方がイノベーティブなものが生まれやすいのは明らか」と話すのは、アクセンチュアの篠原氏。ソニーでは、創業者である井深大氏が込めた「企業もお城と同じもの。強い石垣はいろいろな形の石をうまくかみ合わせることによってできる」という想いが、今も受け継がれているという。  消費財を扱っているユニリーバでは、その事業の特性ゆえにダイバーシティにも積極的に取り組んでいるという。「ユニリーバの商品は、世界各国で1日に25億人もの人々に使われている。消費者の価値観が多様になればなるほど、多様な価値観に合う商品を提供しなければならない。会社としてだけではなく、事業としても、必然性があってダイバーシティに取り組んでいる」(ユニリーバ・岡田氏)。

働き方は、自分で「選べる」ということが重要

 社内での推進の動きも活発なようだ。ユニリーバでは、「WAA(Work form Anywhere & Anytime)」という「いつでもどこでも働ける」制度を導入している。これは、上司に申請すれば、理由を問わず、どこででも勤務でき、勤務時間も自由に決められるというものだ。期間・日数の制限もない。  ユニリーバの岡田氏は「在宅勤務制度云々、という話ではない」と語る。「どこでいつ働くのかを、自分で決められるというのがポイント。従業員が自分らしく働けるように、『選べる』ということが大事」と話す。
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「あなたがどんな生き方をしようとも次世代のロールモデルになっていく」
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