面倒な上司や顧客と話がかみ合わない! こんな状況をエスカレートさせないシンプルな一言

質問によって対立構造を変える

 具体的には「そうですか(同意)。プランAがいいというように考えているのですか(質問)」「なるほど(同意)。プランAのよさに着目しているのですか(質問)」というように、確認のための質問を繰り出す方法だ。  相手によっては、何度も言わせるなと思う人もいるかもしれないが、多くの場合「自分がプランAがよいということをしっかり受け止めてくれた」「重ねて理解しようとしてくれた」「確認してくれた」というように好意的に受け止める人が多い。  いきなり「いえ、こちらのプランがいいと思います」と答えて相手と険悪になってしまうのではなく、それを避けて考え方の違う人とも良好な関係を築くためのスキルだ。  そのうえで、「プランAのどの点がいいと思っているのですか」「プランAがいいと思っている理由は何ですか」というように、相手の考えを掘り下げていく。ここでも質問を繰り出していく。そうすることで、プランAかプランBかという二者択一の対立構図から、ともにプランAやプランBを支持する理由を掘り下げるという同じ方向を向いて議論をすることがしやすくなる。 「同意+質問」は、前回紹介した7つあるリアクション誘導話法のひとつで、最も基本的な話法だ。是非、試してみていただきたい。

相手にストレスを与えず会話のペースを握る

質問:「同意+質問」はどのように行えばよいか  相手の考え方に対して、「同意+質問」によって誘導する話法は、具体的にはどのように行えばよいのでしょうか? 話法の仕組み回答:近接する内容を質問する  相手の考え方に対して同意したうえで、確認の質問をする方法です。誘導話法のなかで、最も誘導の幅は小さいのですが、相手にストレスを与えない方法です。  以下の事例の下にいくほど、誘導の幅を大きくすることができます。 <事例>「同意+質問」の質問の例 ・〇〇というように考えているのですか? ・〇〇というようにおっしゃっているのですか? ・〇〇というように理解したのですが、間違っていませんか? 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第159回】
(やまぐち・ひろし) モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社新書)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい)、『99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100』(講談社+α新書)、『ビジネススキル急上昇日めくりドリル』(扶桑社)がある
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