面倒な上司や顧客と話がかみ合わない! こんな状況をエスカレートさせないシンプルな一言

 上司や同僚、ひいては顧客と話をしていて、話がかみ合わないということに悩んでいる人がいる。かみ合わないだけでなく、そのうちに、険悪な雰囲気になってしまうケースも少なくない。

「ああ言えばこう言う」がエスカレート

悩めるビジネスマン

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 こうしたケースでは、特定の人だけと話がかみ合わないという人はむしろ少なく、いろいろな人と話がかみ合わないと思っている人が多い。そうして組織のなかで浮いてしまったりしかねない。  そこで話がかみ合わない人に、普段どのような会話をしているか再現してもらうと、共通の特徴があることがわかった。相手に「プランAがいいと思います」と言われると、「いえ、プランBがいいと思います」と答え、顧客に「この製品は価格が高い」と言われると、「当社製品の中では平均以下です」と答えている。  つまり、相手がAだと言うとBだと答える、相手がCだと言うとDだと答えるという形で、話がかみ合わないのだ。平行線のまま話が進み、折り合わないので、そのうちにお互いがいら立ち険悪な雰囲気になってしまう。  筆者は話がかみ合わない人にさまざまな方法を試してもらったが、相手と話をかみ合わせるようにするために、最も簡単で最も効果のあった方法がある。それが、同意して質問する方法だ。

相手が考えていることに理解を示す

 例えば、相手が「プランAがいいと思います」と言ったとする。自分としてはプランBがいいと思っていたとして、そのまま「いえ、プランBがいいと思います」と言ってしまうと、「プランBがいいと思っているのだな」と冷静に理解してくれる人は少なく、「自分の意見に反対しているのだな」と思われてしまうのだ。いきなり反論をすることは、相手に抵抗感を与えてしまう。  このように申し上げると、「考え方が違うので、相手の意見に同調することはできない」「相手の考え方に合わせてばかりいてはよくない」という見解に接することがある。  そのとおりで、プランAに同調することはない。プランAに同調しないで、それでいてプランAに反対しないで、否定的な表現ではなく、肯定的な表現でリアクションする方法があればよいことになる。  それが、相手がプランAがいいと思っていても、あるいは別のプランがいいと思っていても、「そうですか」「なるほど」「お考えがわかってよかったです」というように、相手が今そのように考えていることに理解を示す方法だ。  なにもそれはプランAそのものに同意するということではない、「相手がプランAがいいと思っている」という事実を否定せず、同意するということなのだ。これにより肯定表現で返すことができるようになる。そして、さらに相手と対立を生まない効果的な方法がある。同意に続けて質問を繰り出す方法だ。
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同意と質問が会話のクッションになる
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