アマゾンの謎の通信規格、「Amazon Sidewalk」って何だ?

IoT機器向けの通信規格

 実は、この周波数帯近辺を使うIoT機器向けの通信規格は、Amazon Sidewalk だけではない。LPWA(Low Power Wide Area-network)として、様々なものが出てきている。それらは、Amazon Sidewalk と同様に、省電力かつ長距離での無線通信が可能という特徴がある。  920MHz帯を用いたLPWAには、LoRaWAN、Sigfox、ELTRES がある。セルラー通信(LTE)を用いた LPWA には、LTE-M、NB-IoT といったものがある(参照:MONOist)。  Amazon Sidewalk が、こうした先行規格とどのような差別化を図っていくのかはまだ分からない。おそらく、Amazon Echo などの機器をハブにして、独自のネットワークを作るのではないかと想像する。Amazon Sidewalk はプラットフォームを握る戦略の一環なのだろう。いずれにしても、今後どのようにアマゾンがこの技術を広めていくのか注視していきたい。 <文/柳井政和>
やない まさかず。クロノス・クラウン合同会社の代表社員。ゲームやアプリの開発、プログラミング系技術書や記事、マンガの執筆をおこなう。2001年オンラインソフト大賞に入賞した『めもりーくりーなー』は、累計500万ダウンロード以上。2016年、第23回松本清張賞応募作『バックドア』が最終候補となり、改題した『裏切りのプログラム ハッカー探偵 鹿敷堂桂馬』にて文藝春秋から小説家デビュー。近著は新潮社『レトロゲームファクトリー』。2019年12月に Nintendo Switch で、個人で開発した『Little Bit War(リトルビットウォー)』を出した。2021年2月には、SBクリエイティブから『JavaScript[完全]入門』、4月にはエムディエヌコーポレーションから『プロフェッショナルWebプログラミング JavaScript』が出版された。
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