また、理不尽なことにあおり運転された経験がある人の4割弱が「思い当たる行動はない」(36.0%)という。普通に車を運転していて、交通マナーを守って走っているのにも関わらず、突然あおり運転に巻き込まれる可能性があるのは、ドライバーにとって非常に厄介だ。
他方、あおり運転されるきっかけになった具体的な行動として「車線変更をした後」(19.3%)や「周囲よりも遅い速度で走っていた後」(17.7%)、「追い越した後」(14.9%)が上位を占めた。
あおり運転の被害に遭わないために、どのようなことに注意して運転すればいいのだろうか。具体的な対策として「なるべく車間距離をとる」(54.3%)、「不審な車には近づかない」(52.6%)、「無理な割込みはしない」(52.6%)の3点は5割以上の人が心がけている対策方法だ。普段からあおり運転を未然に防ぐために、他のドライバーに配慮した行動が見て取れる。
「なるべくクラクションを鳴らさない」(30.7%)や「ウィンカーを早めに点灯させる」(30.4%)といったことも、あおり運転をされないために留意したい対策になるだろう。あおり運転のトラブルに遭わないためにも、安全運転はもちろんのこと、配慮の欠けた運転にならぬよう最大限注意したい。
もし万が一、あおり運転に巻き込まれてしまった場合はどのように対処するべきだろうか。「道を譲った」(44.9%)と回答した人が最も多く、変に抵抗せずその場をしのぐ対処方法がいいのかもしれない。一方で、「何もしなかった」(30.8%)と答えた人も3割に上る。
また、「他の道に逃げた」(19.5%)や「コンビニやサービスエリアなどの施設に避難した」(5.8%)など、身の危険を感じたときは速やかに安全な場所へ移動することが大切になってくる。
悪質な場合は「ドライブレコーダーやスマートフォンで撮影」(5.2%)して証拠を残したり、「警察に通報」(3.6%)して事情を説明したりする判断も必要になってくるだろう。
あおり運転を巡る事件が多発する昨今、危険運転に対する厳罰化に向けた法整備を求める声が、ドライバーからも上がっている。
今回の調査対象になった、月に1回以上運転する人のほとんどを占める96.6%が、あおり運転に代表される危険運転の厳罰化を「望んでいる」と答えた。また、「強く望んでいる」と回答した割合は6割に達し、法整備の急務を望む思いが伝わってきた。
<取材・文/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。