車間距離を極端に狭めて走行したり、執拗にクラクションを鳴らしたり、無理矢理追い越したり…。
今、あおり運転が大きな社会問題になっている。中には、あおるだけでは収まらず、暴行に及んだり、車に傷をつけたり、悪質な犯罪行為に至るケースも、報道で取り上げられている。
また、ドライブレコーダーに収められたあおり運転の映像がSNSに公開され、その実態が多くの人の目に留まるようになった。
このような状況が相まって社会的関心が高まり、遂には政府が行う交通安全対策特別委員会にて「あおり運転罪」の新設が話し合われるまでに至った。現行の道路交通法では、あおり運転が明確に定義されていないため、新たに罰則規定を設け、あおり運転行為の撲滅に向けた議論がなされている。
警視庁は来年を目処に、道路交通法改正を検討しているというが、問題はあおり運転の定義づけをどうするかだ。そもそも、どこまでがあおり運転の範疇になるかなど曖昧なことも多い。どのような行為をあおり運転と捉え、罰金や刑罰の対象にするのか。悪質なあおり運転を適切に取り締まるためにも、明確な線引きを決めることが、今後問われてくるのではないだろうか。
そんな中、楽天インサイト株式会社は、月に1回以上運転をする20代から60代の男女1000人を対象に「あおり運転に関する調査」の結果を9月25日に発表した。
あおり運転をされたり、されている現場を見たりした経験はあるか尋ねたところ「他人があおり運転をされているところを見た」と回答した人は49.8%、「自分があおり運転をされた」経験がある人は49.7%と、どちらも約半数に上る結果が出た。
あおり運転をされた経験がある人は、どのようなことをされたのだろうか。「車体を接近させて追跡された」と回答した人が最も多くて54.3%、次いで「パッシングされた」(41.6%)、「左車線からの急な追い越しをされた」(31.8%)、「必要のないハイビームをされた」(31.2%)、「幅寄せされた」(30.8%)と続いた。
そのほか、「暴言を吐かれた」(14.5%)や「運転手が車内からおりてきて、威嚇された」(11.5%)、「ものを投げつけられた」(3.4%)といった身の危険を感じる迷惑行為も見られ、道路上では様々なあおり運転によるトラブルが、日常的と言っても過言ではないレベルで頻発していることがわかった。