日韓関係が悪化する中、ソウルの「反日デモ」でフリーハグをやってみた

「反日デモ」でフリーハグを行ったことによる大反響

反日デモでフリーハグ 今年の8月30日、「日本人が反日デモでフリーハグをしてみた」という動画を、僕は各SNSで公開した。その1週間前の土曜日(8月24日)に、韓国の首都ソウルで行われた「反日デモ」でフリーハグを行なった時の動画だ。  その反響は「フリーハグ活動」を今まで8年間行ってきた中で、いちばんと言っていいほど大きなものだった。日韓双方のテレビや新聞、雑誌などいろんなメディアから取材の声をかけていただき、それは今もなお続いている。  日本のあるネットメディアで紹介された時には、約5000件ものコメントがついた。そのほとんどがネガティブなものだったが、人々の関心の大きさをうかがわせた。  日本での取材もあるので、僕は1か月ぶりに帰国した。その間、会う人皆に聞かれた質問はこれだった。 「めちゃくちゃ勇気あるね。怖くなかったの?」  その質問に答えるために、僕のストーリーを話さなければならない。

「韓国人は全員、日本人のことが嫌いなんだ」と思っていた

韓国フリーハグ

初めて韓国を訪問したときのもの。韓国人の友人たちと一緒に、フリーハグボードをデザインした

 僕がフリーハグを始めたのは、2011年から。それから8年間、韓国だけでなく、中国、インド、カンボジア、フィリピン、モンゴルなどアジアを中心に18か国でフリーハグをしてきた。  この活動のきっかけを一言でいうと「メディアから流れる情報と、現実のギャップを埋めるため」だ。  このことに気づいたのは、フィリピン留学で英語学校に通っていた時だった。そこで多くの韓国人に出会ったことが、僕の人生のターニングポイントになった。  なぜなら「韓国人は全員、日本人のことが嫌いなんだ」と、当時の僕は思っていたから。まさかここでたくさんの韓国人の友達ができたり、韓国人の彼女ができたりするなんて思ってもいなかった。  彼らと一緒に英語の勉強をしたり、旅行をしたり、お酒を飲んだり。同じ時を過ごしていく中で、自分自身が抱いていた偏見は完全に溶けてなくなった。 「どうして僕は韓国人に対して偏見を抱いていたのか?」  その原因を探った時に浮かんできたのは、テレビや新聞、雑誌などのメディア情報だった。  そして「自分と同じように、他にも韓国に対して偏見を抱いている人がいるかもしれない」と思った。彼らにどうやってこの事実を伝えればいいのか、悩み考えて思いついたのがフリーハグだったのだ。
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「反日デモ」でフリーハグをする!
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