被災地の多くの住宅がブルーシートで覆われ、土嚢で固定されている状況だ
9月27日、筆者は5時前に起床した。六時前の電車に乗り、現地入りするためだ。
前回お伝えした通り、東京駅からのバスであれば帰りが無料になる特典があるわけだが、筆者の自宅は千葉県我孫子市である。よってむしろ遠回りになると判断したわけだ。
常磐線に乗り、一旦鈍行に乗り換えてから新松戸で降り、武蔵野線で南船橋まで行き、そこから京葉線で蘇我、そして内房線に乗り換えて館山に8:46着という予定であった。これが館山に一番早く着く便なのだが、この時間は非常に重要なのでご記憶いただきたい。
筆者の友人のカレン・ロバートがサッカースクールを経営する木更津を過ぎ、君津を超えたあたりから屋根がブルーシートで覆われている家が増えてくる。
ブルーシートの重しとして、白い袋の土のうが置かれている姿は異様に見える。木更津も館山も千葉の南だから、帰りに木更津にも少し立ち寄ろうかと軽く考えていたが、館山と木更津の間は電車でも約一時間半かかることにご留意いただきたい。
そして予定通り8:46にJR館山駅へ到着したわけだが、ここで大問題が発生した。「バス問題」である。
「つながり」本部がある波佐間の「ウェストペニンシュラ」ホテルまでは駅からバスで約25分の場所にあるが、そのバスが一時間に一本しかないのだ。
8:40発のバスが出てしまうと、次は9:50発である。したがって、公共交通機関で現地入りを考えておられる方は、館山駅に9:45着できればそれで充分である。
千葉県蘇我以南にお住まいの方であればそれより早い便があるが、それ以北の方は9:35着の便があるので、それで館山入りされることをお勧めしたい。どのみち、君津以南の内房線も一時間に一本程度である。
結局約一時間を手持ち無沙汰で過ごすこととなったが、その後バスに乗った。
館山駅周辺にはブルーシートを貼る建物もなく、それほど被災した様子は見えなかったが、バスに乗り、市の中心から離れれば離れるほどブルーシートが増え、窓が割れた家も多々見られるようになる。
ここで重要なのは、被災した家は必ずしも古いものとは限らないということだ。明らかに築三年以内と思われる家でも屋上に穴が開いたものもあり、窓がやられた家もある。古さや建築構造はあまり関係ないということだ。
バス停「波佐間」につき、ホテルは徒歩二分程度の場所にある。中に入ると受付があり、住所と名前だけ書けばそのまま保険加入が可能となっている。
前日の電話で「何か持っていったほうがいいものはあるか」と聞くと、「本当に、身一つでお越しいただければそれで結構です」とのことであったが、その言葉に嘘はなかった。飲食物も揃っており、作業用のゴム軍手、マスク、ゴーグル、ヘルメット、長靴なども用意されている。
ただ、持っていったほうがいいものがあるとすれば
「長袖」「長ズボン」「サングラス」である。理由は後に説明する。