まんが/榎本まみ
前回に引き続き、「
モラ夫の不貞」について取り上げる。
【前回記事】⇒
妻を虐げるくせに自分は不貞。モラハラ夫の自己中な下半身<モラ夫バスターな日々30>
少し前、30代前半の子どものいない夫婦の離婚の相談があった。夫が、半年前に突然、職場近くに部屋を借り、週末も帰ってこなくなった。
離婚を要求され、拒否したら、離婚調停を起こされ、妻が相談に来たのだ。
彼の言う離婚理由は、「お前との結婚に疲れたから」であった。彼によると、「休みの日くらいゆっくりしたい」彼の気持ちに配慮できずに、散らかっている部屋を片付けるように言った妻の言葉に失望したという。
不倫されていることを認めたくない、被害妻たちの複雑な思い
ところで、客観的には、不貞していると推測されるような状況にありながら、これを頑として認めない被害妻は、決して少なくない。
例えば、急に「残業」が増え、深夜帰宅➡午前様➡朝帰り➡無断外泊と進んでいけば、まず、間違いなく不貞している。どこに泊まっていたかを尋ねると、夫は、職場で朝まで働き、仮眠をとったなどと説明する。連絡をしなかったのは、「仕事を早く終わらせたかったから」と説明する。
このような状況を聞き、私が、「おそらく、彼、不貞してますよ」と言うと、少なくない数の妻が、「不貞って、どこに証拠があるんですか?」と怒り出す。
被害妻たちの思いは複雑だ。おそらく、不貞を疑う客観的状況は、理解しているが、自分が不倫されている妻であることを認めるのが余りに辛いのだろう。
私の離婚実務の経験上、
不貞も風俗も全くないモラ夫はいない。モラ夫は、その
男尊女卑の価値観から、女性に対する無思慮な性行動(性加害)を抑制する意思も能力も弱いので、機会があれば風俗に通うし、不貞に憧れていたりする。
つまり、世の中には、2種類のモラ夫しかいない。
不貞/風俗を隠すのが下手なモラ夫と、上手なモラ夫の2種類である。