過去を見るとわかる「増税反対」と言っただけで警察に排除されることの異常さ<短期集中連載・政治家ヤジられTIMELINE・Part1>

 1960、70年代にも、立会演説会における政治家へ対するヤジが問題になっていた。立会演説会とは、選挙の際に候補者が集まり、学校の体育館などで演説する会のこと。  立会演説会では、各陣営がサクラを投入し、相手陣営の演説中に集団でヤジやビラを撒く選挙妨害や、ヤジ同士の衝突などが起こっていたのだ。  1960年10月12日、社会党の浅沼稲次郎委員長が立会演説会で、右翼青年に刺殺される事件がおこった以後も、集団ヤジなどによる選挙妨害はなくならず、1983年に公職選挙法が改正され、公的な立会演説会は廃止された。

1960年10月12日『社会党 浅沼稲次郎委員長』

 自民党、社会党、民社党の3党合同立会演説会において社会党浅沼委員長の演説中 1右翼団体によって「中ソの手先、容共社会党を打倒せよ」というビラがまかれる 2ヤジがあまりにも激しくなり演説内容が聞き取れなくなる 3司会者が浅沼委員長の演説を一旦中止し、聴衆に静粛を求める 4演説が再開された直後に、一人の青年が壇上に上がり、浅沼委員長の胸を銃剣で2度刺す 5浅沼委員長は病院に運ばれるも、死亡 <出典:「浅沼委員長刺殺さる 3党首立ち会い演説会で 犯人を逮捕▽背後関係を追及」1960年10月12日 読売新聞 夕刊>  暴力反対……。

1960年11月16日『社会党 山口シヅエ氏』

【時代背景】社会党の浅沼委員長が刺殺される事件がおこった一ヶ月後。この日の立会演説会もヤジの嵐で、身の危険を感じた山口氏は、選管に「今後立会演説会に出席しない」と届け出た。 山口「このままでは聴衆に迷惑をかけるかけることにもなり、自分の身辺にも危険を感じたので出席しないことにした」 斎藤警視庁捜査二課長「ヤジがどの程度のものかわからないから、公選法の『自由妨害罪』が成立するかどうか、すぐにはいえない。妨害の認定はむずかしいが演説ができない場合は被害者側の告訴がなくても自由妨害と認めて摘発する。騒ぐものに選管から退場を求めることになるだろう」 <出典:「”ヤジなどで身にも危険 立会演説出席せぬ”」1960年11月16日 毎日新聞 夕刊>  ヤジという同じ問題だけど、今と真逆の悩みである。
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雇われて対立候補を野次る、プロヤジラー登場
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