高齢化社会が抱える「看取り難民」問題。このままでは「亡くなる場所」が不足する

左から認定PAの西山さん、木村さん

在宅医療の専門家がつくる日本初の病院を開設予定

 今後の活動として、安井氏が取り組んでいるのが「地域包括ケア」だ。  地域包括ケアとは、「重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム」のこと。  病気になったら病院、介護が必要になれば介護サービスを受けられるなど、高齢者を地域全体でサポートしていく、というイメージだ。急性期病院、地域病院、介護施設など機能が異なるさまざまな施設が連携していく。  安井氏は、「自宅で自分らしく生きる。」を目標とし、2021年4月板橋区内に「おうちにかえろう。病院」を開設予定。病床は120床で、医療以外には看護、リハビリ、介護、歯科、薬剤すべてをシームレスにつなぐ。入院の目的は治療ではなく、「退院」つまり「自宅に帰る」ことだ。在宅医療の専門家がつくる日本初の病院となる。 <取材・文/薗部雄一>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。
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